デジタルトンボ図鑑
リュウキュウベニイトトンボ 
          Ceriagrion auranticum ryukyuanum Asahina, 1967
リュウキュウベニイトトンボ
♂.沖縄県.1992.5.10.(左),♀,沖縄県.1992.5.10.(右)./ スケール:1.0cm. 100%,200% on 150ppi.
<分類学的位置>
 トンボ目 Order Odonata
 イトトンボ科 Family Coenagrionidae
 キイトトンボ属 Genus Ceriagrion

<分布> 
 九州南部(熊本県,宮崎県,鹿児島県)及び南西諸島のほぼ全域,南北大東島などに分布する.本亜種 C. a. ryukyuanum は,海外では中国,台湾に分布している.なお,鄭(2011)によると,朝鮮半島には,種 C. auranticum が記載されているが,亜種名の記述がない.

<特記事項>
 九州南部でベニイトトンボ Ceriagrion nipponicum と分布が重なるので,その地域では注意して同定する必要がある.リュウキュウベニイトトンボ♀は腹部第7〜10節背面が黒いがベニイトトンボにはそれがない.リュウキュウベニイトトンボ♂では尾部下付属器が上付属器より長くベニイトトンボではそれがほぼ同じになっているが,結構見分けるのは難しい.慣れてくれば色彩の微妙な違いで分かる.
 近年リュウキュウベニイトトンボが神奈川県で発生したが(苅部,2007),これは人為的な移入であろう.しかし今後こういった人為的移入が起きる可能性がある.また九州南部では分布域の北上が言われているので,ベニイトトンボ類の新産地を新発見したときには注意が必要である.

苅部治紀,2007.神奈川県横浜市で発生したリュウキュウベニイトトンボについて.月刊むし (434):42.
鄭光洙(Kwang-Soo Jung),2011.Odonata Larvae of Korea. Nature & Ecology, Korea.

<生体写真>
オスの生体写真

メスの生体写真