トンボノート
No.822. シオヤトンボが出てきた.2022.4.12.

今日も春のトンボの出現状況を見に行きました.ねらいはオグマサナエです.まずは去年オスがなわばりをしていた池をのぞいてみました.するとすぐに1頭のサナエトンボが羽化しているのが目に付きました.オグマサナエかと思いましたが,なんとフタスジサナエでした.早いですね,もうフタスジサナエが出てきています.しかも,あちこちに羽化殻がいっぱいついていました.ざっと数えただけでも30個以上はありました.

▲フタスジサナエの羽化.すぐ横にも羽化殻があるが,すでにたくさん出ている.

フタスジサナエの羽化は4月後半が普通と思っていますが,4月12日の羽化確認はおそらく私的には新記録ではないかと思います.ここではタベサナエもすでにかなり成熟状態が進んでいるようでした.一昨日は何も飛ばなかったのに….

▲タベサナエのオス.翅もしっかりとしてきている.

それからシオヤトンボが,10頭以上飛び回っていました.本当に不思議です.一昨日の方がよく晴れていたのに姿が見られませんでした.すでに粉を吹きかけている個体もあり,一昨日以降の羽化とは思えません.

▲シオヤトンボのオス(上)とメス(下).

このあと,例年オグマサナエが見られるところへ行ってみましたが,まだ姿はありませんでした.そこで今日はオグマサナエは諦めて,一昨日見かけたオツネントンボについて,産卵活動を期待して立ち寄ってみました.いました.全部で6頭見かけました.数が少しだけ増えています.最初に見たのが単独のメスで,しばらく見ていると産卵を始めました.個体数が少ないせいか,オスに見つからないんでしょうね.

▲単独で産卵するオツネントンボのメス.

撮ろうと思っていたビデオにも記録したので,連結で産卵している個体はいないか,探してみることにしました.途中,オスが追いかけ合いをしていました.数がいるといろいろな行動が見られてうれしくなります.

▲オツネントンボの単独オス.単独オスは少なくとも3頭はいた.

少し進むと,タンデムのオツネントンボが飛ぶのが目に入りました.なかなか敏捷で,近寄らせてくれません.産卵を始めてもすぐ飛び立ちます.

▲スゲの間を飛び回るオツネントンボのタンデムペア.

▲ときどき止まって産卵するが,すぐに飛び立つ.

ときどき見失ったりしながら,気長に落ち着いて産卵するのを待ちました.脅かさなければ必ずチャンスは来るものです.しばらくしてやっと,一カ所で集中して産卵を始めました.まずは遠くから,そしてゆっくりと近づいて至近距離から撮影しました.もちろんビデオにも余裕を持って記録できました.

▲まずは遠くから,そしてそーっと近づいて近くから撮影した.

こういうときはライブビュー撮影が楽です.今のカメラは背中の液晶ビュワーを引き出して水平にできるので,水面ギリギリにカメラを置いて撮影できます.そうしないとなかなか両方にピントが来ません.あと,ホソミオツネントンボやホソミイトトンボたちも,一昨日ほどではありませんが,活動をしていました.日によって活動個体数に変動があるようですね.

▲ホソミオツネントンボの産卵.

▲ホソミイトトンボの産卵.

去年はかなり苦労しましたが,今年はいとも簡単に越冬3種の活動を見ることができました.年によって見やすさに違いがあります.帰り際,ホソミイトトンボが潜水産卵をしていましたので,これを撮って今日は終わりにしました.

▲ホソミイトトンボの潜水産卵.

ビデオはまた後日公開します.