No. 1081. ヒメサナエとオジロサナエ.2026.7.14.

2022年以来再び出かけているヒメサナエの観察です.ただ,2022年は6月下旬にヒメサナエがたくさん産卵していた事実があって,繁殖時期が早まっている感じがしています.それ以前は7月上中旬がヒメサナエの繁殖の盛んな時期でした.今日はそれを確かめる意味もあって,この時期に出かけました.

車を止めて観察地に行く途中,ヒメサナエのメスが川から飛び上がってきました.産卵していたのかも知れません.


▲川から飛び上がってきたヒメサナエのメス.▲

観察ポイントに着いて川面を見ると,ヒメサナエのオスが1頭止まっていました.木漏れ日の日向に止まって,腹部挙上姿勢を行っていました.


▲川の砂州に止まって腹部挙上姿勢をするヒメサナエのオス.▲

しかしヒメサナエはこれ1頭だけで,周りを見渡すとオジロサナエのオスがちらほら見られました.しばらく見ているとオジロサナエは3~4頭いて,ヒメサナエより優先している感じがしました.個体によって違いますが,同じところに長時間とどまらず,飛び去ります.ときどきオス同士が出会うとくるくる回るように飛んで闘争をしています.


▲オジロサナエのオスたち.▲

現地のイメージは,オジロサナエの繁殖が中心で,ヒメサナエは繁殖活動が細っているように感じられました.オジロサナエはオスが出てくる前に産卵に入ることが多いので,今日は産卵を見ることはできないかも知れないなどと考えて,ヒメサナエのメスを待ちました.しかしやって来たのはオジロサナエのメス.オスがそのメスを押さえ込みましたが,メスは逃げ,近くの葉上に止まりました.


▲オスに押さえ込まれて逃げたメス.右前翅が濡れているのが分かる.▲

この場所はシダの葉がうすい流れの上を被っている場所で,オスから隠れるのに都合がいい場所でした.今までの観察でもそうでしたが,オスが出てくる時間帯に産卵に来るメスは,オスに見つかりにくい場所で産卵をします.


▲上のメスはシダの葉の下の岩の陰でオスに押さえ込まれた.▲

すると,1頭のオスがこの場所のすぐそばでメスを待ち始めました.メスが来たのを知っているんですねきっと.というか,これは押さえ込んだオスかも知れません.ここにメスが入りそうなので,オスを追っ払って,私がなわばりを張りました(www).するとほどなくメスが産卵に入りました.


▲メスが入った場所のすぐそばでメスを待つオス.▲


▲産卵に入ったオジロサナエのメス.▲

この間,ヒメサナエは全く動きがありません.やはりヒメサナエの繁殖時期は終わりに近づきつつあるようです.オジロサナエの繁殖が盛んになるのは,以前は7月20日ころでした.やはり少し早まっている感じです.オジロサナエの産卵は,きょうはこれ1頭でした.そして面白いことに,オジロサナエの処女飛翔個体が1頭飛び出しました.まだ羽化している個体もいるんですね.というか,流下せずに繁殖場所と同じところで羽化しているのは面白いことです.ひょっとしたらもっと上流から来たのかも知れません.


▲羽化直後のオジロサナエのオス.▲

11:30に観察を終えました.観察を終える直前に,またヒメサナエのオスがやって来ました.


▲ヒメサナエのオス.▲

帰る途中,林の中でヒメサナエのメスに出会いました.まだヒメサナエも繁殖活動は続いてはいるようです.日を改めれば出会えるかも知れません.ただ,観察地へ入る道が草刈り等の整備が行われなくなっており,身長より高いススキの葉のギザギザをかき分けるひどい藪漕ぎでしたので,最近ふらつきが出てきた私には足元が危ないこともあり,この観察地にはもう入れないかも知れません.人間活動が行われなくなった場所は自然に帰っていくようです.


▲林の中で出会ったヒメサナエのメス.▲

行く途中でしたが,オナガサナエのメスに出会いました.過去にも何度か出会っており,この場所は未熟な個体が集まる場所なのかも知れません.ここはオナガサナエが活動するような河川ではありません.ただこの個体は複眼も緑に輝いており,間もなく繁殖開始しそうです.


▲オナガサナエのメス.▲

そろそろオナガサナエの観察にも出かけた方がよいかも知れません.以前は8月初旬が適期でしたが,こちらも早まっているかも知れませんね.

最近,トンボ観察中に,ゲストの生き物に出会いません.なお,今日も猛暑日.日向に止めた車の外気温計では38℃ありました.

今日出会ったトンボたち
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
オナガサナエ +
オジロサナエ +
ヒメサナエ +
コオニヤンマ +
ミヤマカワトンボ +
ウスバキトンボ +
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No. 1081. ヒメサナエとオジロサナエ.2026.7.14. はコメントを受け付けていません

No. 1080. 猛暑日のトンボたち.2026.7.10.

昨日に続いて今日は早朝からトンボを探しに行きました.今日は,ミヤマサナエ,ナゴヤサナエ,モートンイトトンボの姿を求めていきました.

まずミヤマサナエは,今年集まりそうな場所を見つけたので,そこへ出かけましたが,空振りでした.シオカラトンボ,ハグロトンボが飛ぶだけでした.次はナゴヤサナエ.この場所には,全くトンボがいませんでした.コフキトンボやシオカラトンボさえいません.「どうなっているのだろう」という感じです.そしてモートンイトトンボ.例年たくさんいた場所ですが,全く姿がありませんでした.こちらはちょっと時期が遅かったかも知れませんが,今年2回目で,前回はぴったりだったはずです.もっと早いのでしょうか.

ということで,完全に空振りでした.10:00を過ぎるともうとても暑く,地面も池も草地も,全部焼けているような感じです.シオカラトンボとショウジョウトンボとチョウトンボだけは平気で活動していました.キイトトンボですら,日陰に避難しているように見えました.


▲繁殖活動もせず,日陰で過ごすキイトトンボ.▲

そんななか,ホソミイトトンボの夏世代が産卵していました.


▲ホソミイトトンボ夏世代の産卵.▲

ウスバキトンボでさえ,日陰でぶら下がっている状態です.


▲日陰で休むウスバキトンボ.▲

ボロボロになったウチワヤンマがいて,別のペアが交尾態で日差しの強い池の上を飛び回っていました.


▲暑さに負けず日向で頑張るウチワヤンマ.▲

最後にハッチョウトンボを確認に行きました.3頭いました.暑い中日向で頑張っていましたが,個体数はちょっと少ないかな,という感じでした.


▲暑い中頑張るハッチョウトンボ.▲

気温は猛暑日の35℃でした.こちらが熱中症になりそうで,11:00過ぎには観察を終えました.

この高温状態,トンボの生物季節に影響を与えているように感じてなりません.昔ならもう少し涼しい中で活動していたトンボたちが,真夏の暑さの中で活動しています.実証することはできませんが,トンボたちの減少を感じます.

今日出会ったトンボたち
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
シオカラトンボ ++
オオシオカラトンボ +
ショウジョウトンボ ++
チョウトンボ +
ウスバキトンボ +
ハッチョウトンボ +
ウチワヤンマ + (4)
オオイトトンボ ++
キイトトンボ ++
クロイトトンボ +
ギンヤンマ +
クロスジギンヤンマ +
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No. 1080. 猛暑日のトンボたち.2026.7.10. はコメントを受け付けていません

No. 1079. 梅雨明けとヤブヤンマ.2026.7.9.

昨日8日,「梅雨明けしたとみられる」,という情報が流れました.さあ,夏がやって来ました.最近はトンボの出現が少し早くなっており,ヤブヤンマも,昨年は7月3日に繁殖活動をみました.今年は梅雨が結構はっきりとしていたので曇や雨の日が多かったのですが,早朝からガンガンに晴れた今日,早速ヤブヤンマを見に行きました.現地に入ったのは13:00前です.池をのぞくと,1頭のメスが飛んでいました.もうやって来ています.ただこのメスは落ち着きがなく,すぐに池を出て行ってしまいました.少し池のまわりを歩いてみると,ヤブヤンマの羽化殻が付いていました.この池で繁殖しているようです.


▲ヤブヤンマの羽化殻.2m位の高さのところに着いていた.▲

ヤブヤンマの羽化殻はあまり見ることがありません.しばらく待ちましたが,ヤブヤンマは入ってこないのでもう一つ,いるかも知れない池をのぞいてみました.が,こちらにもいませんでした.どちらもオオシオカラトンボが活動しており,この別の池ではリスアカネがもうなわばりを張っていました.


▲早々にリスアカネがなわばりを形成していて,オオシオカラトンボのオスとバトルをしていた.▲


▲オオシオカラトンボはたくさんいて,飛んだり止まったり産卵したりしていた.▲

さて,もう一度はじめの池に戻ることにしました.少し待つことにし,池の畔に座っていると,オスが入ってきてぶら下がりました.ヤブヤンマのオスは,メスが産卵に来る時刻に産卵場所を訪れ,このように止まってメスを待ちます.たが今日は私がバチバチストロボを焚いたので,嫌気が差したのか飛び去ってしまいました.


▲池に入ってきてすぐにぶら下がったヤブヤンマのオス.▲

ほどなくするとメスが入ってきました.今日のメスはなかなか敏感で,近寄らせてくれません.


▲木の根際に産卵するヤブヤンマのメス.近寄れないので少し遠くから撮った.▲

こういうときは,追い回すよりじっと待つのが正解です.腰を下ろして待っていると,「人体」が隠れるのに最適な物陰になり,すぐ近くで産卵することがよくあるのです.案の定くだんのメスが近づいてきました.じっと産卵を始めるのを待ちました.すると,彼女は私に興味を持ち,私の顔のすぐ前を飛んだ後,右の上腕に止まって産卵しようと産卵管を突き立てました.これは痛いので,すぐに振り払いました.ずっと以前にもミルンヤンマに「おでこ」に産卵管を突き立てられたことがあります.若いメスはいろいろ産卵基質を確かめようと学習するのでしょうか? そんなこんなで,さらにねばって待つと,やっとチャンスが訪れました.


▲若いヤブヤンマのメス.あちこち飛んでは,産卵に集中し始めた.▲

まだ若いですね.淡色部の黄色が鮮やかで,まだ緑がかっていません.撮影のため追い回していると,もう1頭別のメスが足元から飛び立ちました.いつの間に入って来たのでしょう.飛ぶ姿が少し緑っぽく感じました.このメスは先のメスより少し日齢が進んでいる感じです.腹部第1~4節の淡色部がほんの少し薄緑色になっていますし,複眼もやや青味を帯びています.


▲上のメスを追っていたとき,足元から飛び立った2番目のメス.▲


▲複眼がやや青味を帯び始めた,日齢がやや進んだメス.▲

写真を撮っているとさらにメスが入ってきました.全部で4頭が産卵にやって来ました.昨日まで曇りがちだった天気が今日は朝からがん晴れ.悪天気の後の晴れはメスが来る,という経験則がまた当たったようです.薄暗い池をあっちへこっちへ4頭のメスが飛び回るので,もうどれがどれか分からなくなりました.とにかく手当たり次第に写真を撮ってみましたがうまく4頭撮れていたようです.


▲3番目の個体.左上は拡大写真:左が2番目,右がこの写真の個体の腹部第1節.▲

この3番目の個体,公開したときは2番目の個体と同じと判断していました.ただ複眼の色が微妙に違うことが気になっていましたが,露出のせいかもしれないと判断していました.しかし後日,写真の別のコマなどを詳細に再検討した結果,腹部第1節の斑紋が微妙に違うことに気づきました.それ以外の体斑は非常によく似ており,これは同腹の子なのだろうと思います.以上訂正しておきます.


▲第4番目のメス.腹部の斑紋,複眼の色の違いで,上の個体と異なることが分かる.▲

あっという間に15時になりました.ここにやって来たのが13:00前ですから2時間ほどヤブヤンマと戯れたことになります.久しぶりです,こんなに楽しい時間を過ごせたのは.ただ薄暗い池なので,私の汗と二酸化炭素のにおいを嗅ぎつけたのでしょうか,蚊などの飛翔小昆虫が目の前を集団で飛び始めています.目の中にも入ってしまう感じです.ということで,今日はこのあたりで止めることにしました.

林を抜けて日向に出ました.外気温は34℃を指しています.これは熱中症に注意しなければいけません.でも明るい池の上を夏のトンボたちが活動をしています.彼らには熱中症はないのでしょうかね.


▲オオシオカラトンボ,ショウジョウトンボ,チョウトンボ.▲

チョウトンボというトンボ,黒っぽい色をしているのに,日差しの中をビュンビュン飛んでいます.すごいヤツです.暑くないのでしょうか.オオシオカラトンボやショウジョウトンボがだらんと止まっているのとは対照的です.私は日陰を選んで車の方に移動することにしました.今日はこれまでです.

今日出会ったトンボたち
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
クロイトトンボ ++
キイトトンボ +
ヤブヤンマ + (6)
ギンヤンマ +
タイワンウチワヤンマ + (1)
ショウジョウトンボ ++
シオカラトンボ ++
オオシオカラトンボ ++
チョウトンボ ++
コシアキトンボ ++
リスアカネ +
ウスバキトンボ ++
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No. 1079. 梅雨明けとヤブヤンマ.2026.7.9. はコメントを受け付けていません

No. 1078. 久しぶりに公園に出かけた.2026.7.2.

今年の梅雨は結構雨が降り続けていまして,私の空き時間と天気がうまく一致せず,半月あまり公開が遅れました.それでも曇りがちの日,6月19日にはキイロヤマトンボ,23日にはキイロサナエを探しに出かけたのですが,いずれも成果は芳しくありませんでした.19日は,コオニヤンマ,シオカラトンボ,アオサナエ,23日は,コシアキトンボ,シオカラトンボ,ギンヤンマがいただけでした.

さて,しばらく間が開いて,池は夏の様相に変わっていました.まずはベニイトトンボを探しました.ベニイトトンボはたくさんいて,活動をしていました.


▲ベニイトトンボは10頭以上活動していた.▲

あとは,夏の普通種ばかりでした.


▲コシアキトンボのオス.▲


▲ショウジョウトンボのオス.▲


▲シオカラトンボのオス.▲


▲チョウトンボのオス.▲

早く梅雨明けをしてトンボたちに出会いたいものです.

今日出会ったトンボたち
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ベニイトトンボ ++
キイトトンボ  + (1)
クロイトトンボ ++
ウチワヤンマ + (2)
ギンヤンマ + (4)
ショウジョウトンボ +
シオカラトンボ ++
チョウトンボ ++
コシアキトンボ ++
オオシオカラトンボ +
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No. 1078. 久しぶりに公園に出かけた.2026.7.2. はコメントを受け付けていません

No. 1077. キイロヤマトンボの探索(2).2026.6.13.

昨日に引き続き,キイロヤマトンボの探索です.今日は県内の産地へ行きます.朝5時に起きて準備をし,6時には出かけました.でも現地までは2時間以上かかるので,観察を始めたのは8:30ごろでした.着くやいなやキイロヤマトンボらしいトンボが飛んでいました.割合短い間隔で来るので,今日は数が多いかと思いましたが,まあ,最初だけでした.


▲キイロヤマトンボのオス.▲

やはり後追い撮影になります.昨日よりさらにピントが甘い感じですが,これでやっとというところ.今日は産卵に2回入ってきました.一つは少し離れたところで,私から見て向こうへ行ったりこっちへ来たりの飛び方なので,写真になりませんでした.もう一つは後ろから足元を抜けるように飛び,2回ほど打水して飛び去りました.ものすごいスピードで,やはり写真にはなりませんでした.このトンボは写真に撮るのが難しいです.

でも,まだ元気に活動してくれているのが嬉しかったです.足元では,シオカラトンボ,アオサナエ,コオニヤンマなどが出てきていました.


▲アオサナエのオス.▲


▲コオニヤンマのオス.まだ若い!.▲

10:30ごろには暑いせいか飛ばなくなったので,観察を切り上げ,キイロサナエを見に行くことにしました.最近県下ではキイロサナエは激減しているのです.現地へ行ってみると,なんか,地面や細流が焼けているように暑く感じられます.全部で5頭見ました.


▲キイロサナエが激減している感じがする.▲

今日はキイロ.キイロと続いたので,ついでに,キイトトンボも撮っておきました.


▲キイトトンボの産卵.メスは中脚を大きく横に広げている.▲

オオイトトンボは結構な数飛んでいました.産卵の姿は見られませんでした..


▲オオイトトンボのオス.▲

今日のもう一つのねらいであったモートンイトトンボの姿を確認することができませんでした.ちょっと心配です.たくさんいた休耕田からはもう4年間確認していません.

今日見たトンボたちを整理しておきます.
-------------------------------
キイロヤマトンボ ++ (のべ10頭以上,メス産卵2回)
コオニヤンマ +
アオサナエ +
シオカラトンボ +,++
ギンヤンマ + (1)

キイロサナエ + (5)
オオイトトンボ +++
キイトトンボ ++
クロイトトンボ ++
モノサシトンボ +
ハッチョウトンボ +
ショウジョウトンボ +
シオカラトンボ ++
クロスジギンヤンマ +
ウチワヤンマ +
コフキトンボ +
コシアキトンボ +
--------------------------------


今日のゲストはカジカガエルです.こどものころ,裏山に登って,渓流でよく捕まえたものでした.


▲カジカガエルさんです.▲

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No. 1077. キイロヤマトンボの探索(2).2026.6.13. はコメントを受け付けていません