トンボの観察は面白い.今日はそれを感じた夕刻でした.一週間前からコサナエ属2種,フタスジサナエとオグマサナエを追いかけています.ここまでの記事をお読みの方はもうお分かりと思いますけど,フタスジサナエの産卵は割合簡単に見ることができるのですが,オグマサナエの産卵は,4月25日朝に偶然一度見た切り,その後全く見ることができませんでした.特に,今日そして昨日は,かなり朝早くから昼過ぎまで,トンボたちが最も活動的になる時間帯をねらって,オグマサナエが産卵に来るのを待ちました.でもすべて空振り.未熟なメスの個体は,フタスジサナエに負けないくらい池の周辺で見ています.しかしオグマサナエは産卵に来ないのです.今朝の記事のように,オスは池にかなりの数出てきています.ですから,絶対にこの池で産卵しているはずです.

そこで,先入観を捨て,今日夕方,産卵を見に行くことにしました.先入観というのは,「気温が低くなるので春のトンボはあまり夕方に活動しないだろう」という考えです.現地に着いたのは17:30ころでした.池にはもう日がほとんど射さなくなっており,太陽は西の雑木林の中に隠れようとしている状態でした.カメラもISO200,シャッタースピード1/200ではもうほとんど真っ黒という状態.涼しい風が吹き始めていました.まあ,可能性をつぶすのだというくらいの気持ちで現地に立ちました.

するとどうでしょう.17:42にコサナエ属のトンボが,少し離れたところで産卵しているのを見つけました.1,2分前に,クロスジギンヤンマのメスに追われるようにして,黒いトンボの影が池岸に飛び込んだように見えたのですが,それがどうやらこのトンボでした.近づいてカメラを構えると,胸側の黒条が1本!,オグマサナエでした.こんな時間に来ているのだ.うれしいと同時に,先入観に支配されていた自分が情けなくなりました.産卵を始めてからかなり時間がたっていたのでしょう.短時間で産卵を切り上げ,飛び去ってしまいました.

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「近畿のトンボ図鑑」の解説にあるように,腹部を大きく岸辺の方に振って卵を飛ばす動作をしていました.この産卵場所は,昼間,オスたちがしきりに追いかけあいをしているポイントでした.やはりオスの目は確かですね.でもメスはその上を行っています.オスが姿を消す時間帯に産卵に来ているのですから.このポイントは,下の写真のように,左側の岸辺が切り立つように垂直になっている場所で,その垂直の壁の方に向かって,卵を飛ばすように腹部を振っていました.

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撮った写真を確かめる暇もなく,目の前にまた1頭,コサナエ属のトンボが産卵に入りました.また来たか,と思いましたが,今度はフタスジサナエでした.フタスジサナエもこんな時間に産卵に来るのですね.このフタスジサナエ面白いことに,オグマサナエのように,腹部を岸辺の方に振る動作をしていました.ちょっとピントが甘いですが,その瞬間を写真にとることができました.

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フタスジサナエの産卵が終わり,10分ほどしたとき,またまたコサナエ属のトンボが産卵に入ってきました.今度はなだらかな岸辺の草の上で産卵しています.そう,今朝フタスジサナエが産卵していたあのポイントです.でもトンボはオグマサナエでした.次々にやってきますね.今度は少し落ち着いて写真が撮れましたが,もう薄暗くF5.6のレンズではピントを合わせるのがつらい状態で,時間はたっぷりとあったにもかかわらずピントの来た写真はあまり撮れませんでした.

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その後,18:15まで,さらに2頭産卵に訪れましたが,これらは,近づくと逃げて行ってしまい,写真に記録することはできませんでした.いやはや,本当に思い込みはいけません.自然の生き物を相手にするときは,あらゆる可能性をつぶしていかないといけないということですね.教訓でした.このGW中にもう一度来ることにしましょう.今度は6時より早い早朝も狙ってみます.

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