新 トンボ歳時記
No.479. オオキトンボとそのなかまたち!?の産卵ショウ.2014.10.19.

チャンスは絶対に逃がすな,というのは,トンボの写真を撮り始めてから肝に銘じていることです.昨日行った池の,オオキトンボとタイリクアカネの集まりが非常に良かったので,今日もう一度,スチルカメラを手にもって出かけることにしました.ただ,今日は運動を兼ねて自転車での観察行にしました.片道2時間かかりました.

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現地に着いたのは11時でした.今日も,池で見かけたアカトンボは昨日と同じ,上の4種類でした.昨日は11時30分から産卵に入ってきたのですが,今日はもうすでにオオキトンボが産卵に入っていました.今日は昨日と違って,気温の上がり方が早かったようです.最初に入っていた産卵ペアは,カメラの準備が整ったときに産卵を終えてしまいました.ちょっと遅かったかと思ったのも束の間,次々にオオキトンボが産卵に入ってきました.

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今日は本当に次々と産卵に入ってきて,12時に産卵ショウが終わるまで,産卵が途切れることがありませんでした.1時間中必ず何組かのペアが産卵をしているといった状態です.ですから,十数組の産卵ペアがやってきていることになりますね.今日来たのは大当たりでした.

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こう次々と産卵に入ってくると,いろいろなバリエーションが見られるのですね.まずは,メスの単独産卵.これはオスがメスを放したあと,メスは飛び去らずにそのまま産卵を続けたものです.

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次に,単独で入ってきたメスを捕まえた縄張りオスとの交尾シーン.今日は2組の交尾シーンを観察できました.オオキトンボの交尾はあまり見かけることはありません.

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さて,オオキトンボは1時間中産卵をしていましたが,その合間を縫って,タイリクアカネも産卵にやってきました.昨日は全くその気配がなかったのですが,今日は5組くらい産卵にやってきました.

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昨日は海岸の方に移動する途中に立ち寄った一群かと思いましたが,こうなると,もう完全にこの池を繁殖場と考えているようです.この池は海岸からは直線距離で20km以上離れたところにある池です.もう,タイリクアカネは「遺伝的に」海岸地方を好むというのではなく,「今まではアキアカネなどとの競争によって海岸地方に追いやられていた」と考えることもできるなと思うようになりました.

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さて,オオキトンボに混じって,キトンボも産卵にやってきました.3組くらいだったと思います.キトンボ,オオキトンボ,タイリクアカネと,いつもなら,別々の場所へ観察に行くトンボが,一つの池に集合し,それも複数のペアが産卵にやってくるというのは,もう非常に痛快でした.

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今日は自転車で来ていたので,長く居ることはできず,12時過ぎに産卵ショウが一段落したのを機に,帰途につきました.最後に愛車を紹介しておきましょう.以前はロードレーサーに乗っていたのですが,ランドナーに買い替えました.トンボを自転車で見に行くためには荷物が多くなりますので,リュックサックだけでは非常に疲れるため,フロントバックをつけたくてこの選択になりました.いまどき,ランドナーを作っているメーカーはほとんどなく,かなりの出費になってしまいました.

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