たしか去年も同じことを言った気がするのですが,今日は梅雨前線が北上していて,北の方ほど天気が悪い状況です.近畿の北部と中部は曇基調の天気.でも東側が海に面する南方の三重県と徳島県はガンガンの晴れの予報.こうなると行き先は決まります.今日は,昨年うまくいかなかった,ミナミヤンマの打水の瞬間の記録に挑戦することを第一目標として出かけることにしました.「市場町にトンボの里を作る会」のハンドルネーム「赤トンボ」さんが見事な写真を撮っておられたのが心に引っかかって,昨年のリベンジをいつかやろうと決めていたのでした.

では結果から紹介しましょう.徹底して打水の瞬間ばかりをねらったところ,かなりの枚数うまく撮ることができ,リベンジを果たしました.下の写真はその中で一番気に入ったものです.

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ということで,今日の観察記録を記すことにしたいと思います.

家を出たのは5:45で,ちょっと出遅れました.最近ガソリン代が馬鹿にならないので,超燃費走行で走りました.現地には9:00少し前に到着しました.家を出たときのどんよりとした曇り空と違って抜けるような青空.もう言うことなしです.来たのは大正解でした.装備を身につけ,早速昨年の産卵ポイントへ行ってみました.しかし,川が荒れたのか,河床の様子が変わっていて,産卵ポイントとして適さない状態でした.そこで,別のポイントを探すことにしました.川はしょっちゅう形を変えるので,川のトンボの観察ではこういうことは普通です.藪を抜けて,新しいポイントを探しているときでした.ミナミヤンマのメスが産卵をしています.なんと,到着後15分で最初の遭遇です.

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ご覧のように打水(打レキと言った方が適切かもしれません)の瞬間ばかり狙ったので,こんな結果になってしまいました.けっこうピントも来ていて,到着早々目的達成です.そして撮影結果を確認していると,ナ,ナント,同じポイントにもう1頭メスが入って,産卵を始めているではありませんか.慌てて撮影に入りました.

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ミナミヤンマは,30cm×50cm程度の範囲を,ぐるぐると旋回しながら,打水のポイントを探しているようです(この点に関し,オーディエンスの方から,この間卵塊をつくっているとご指摘いただきました.カラスヤンマで報告されているそうです(西田時弘,2002)).翅を,ぱたぱたという感じで,リズミカルに動かして飛んでいます.そして,水がほとんど石の間を流れているようなポイントに卵を置きます.

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よく見ていると,ほとんど同じポイントを狙って打水しているようです.何枚かの写真を確認したところ,ずれは数センチ程度です.この2回目に入ったメスは,産卵の最初から撮影していますので,結構長い時間目の前でショウを見せてくれました.撮影記録では9:16’40″に最初のコマを撮影し,最後は9:20’26″になっていますので3分46秒,最初のロスを計算に入れておよそ4分ほど産卵をしていたことになります.

ところで,産卵に来た場所は下のようなところでした.

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到着したのが9:00前でしたから,わずか20分余りで,2頭ものメスに出会い,今日の目的を達成してしまいました.この後,11:00ころまで待ちましたが,ぱったりと産卵は途絶えてしまいました.というか,ミナミヤンマの姿は,オスもメスも,その後はまったく見かけることすらありませんでした.今日はたくさんシャッターが切れたので,最後に遊びで,打水後の上昇連続写真と洒落てみました.これは,毎回の打水ポイントがほとんど同じだからできる芸当です.こんなニセ連続写真が作れることから,いかに同じポイントで何度も打水しているかがお分かりいただけるでしょう.しかも,これは1回目のメスと2回目のメスの写真を混合しているのです.

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さて,ミナミヤンマが終わったので,つまみ食いその2,シコクトゲオトンボの産卵観察へと移行することにしました.ところが,今日はシコクトゲオトンボの数が少なく,メスも1頭見ただけで,慎重に産卵個体を探しましたが,産卵を見ることができませんでした.去年はあれほどいたのに,今年はどうしたのでしょう.水が出て河床が荒れたことが原因なのでしょうか...

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ということで,オスの写真だけを撮って,次のつまみ食いにいくことにしました.次はベニトンボです.「赤トンボ」さんのホームページには,もうすでにベニトンボが飛んでいることが書かれていましたので,私も心当たりを探してみることにしました.池に着くと,いましたいました,オスが池に出て飛んでいます.ただ,このベニトンボなかなか敏捷で,近寄らせてくれません.追いかけてはそっと近づきを繰り返し,なんとか何枚かを記録に取ることができました.

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池には合計3頭ほどがいたようです.時に激しく追尾行動なども見られました.時刻は12:00をまわっており,太陽が一番高い時刻,腹部挙上姿勢も見られました.ただ,正面に回れなかったのが残念でした.とにかく敏感なのです.

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ベニトンボも暑いでしょうが,私も相当に暑く,汗がだらだら噴き出るように出てきます.この歳で熱中症にも注意しなければなりませんので,適当なところで切り上げ,池の横の草原でメスを探してみることにしました.メスは2頭見つけることができました.

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メスのすぐそばにはオスもいて,このオスは性格がよく,近づいても逃げない個体でした.これをじっくりと観察し記録に取りました.ただ,高いところに止まるので,低いところに止まるのを待って,なんとか最後に背面を大きく入れて撮ることができました.もう服はびしょびしょでした.

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ということで,兵庫県にはいない3種のトンボを観察し,今日のつまみ食いツアーを終えることにしました.実はこの後もう一度シコクトゲオトンボを見に行ったのですが,結果は午前中と同じでした.帰りは燃費走行もちょっとだけ犠牲にして,クーラーを入れて帰ることにしました.夕方のミナミヤンマの観察までやりたかったのではありますが,やはり明日は仕事,体力は残しておかなければね...もし最後まで残って観察していたら,きっと今頃家に着いていることでしょうなぁ...(22:28記).


西田時弘,2002.カラスヤンマは産卵時に卵塊を作る.月刊むし371:37-.

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