今日は,昨日の黄昏飛翔に刺激されて,ヤンマの産卵を見に行くことにしました.運良くネアカヨシヤンマの産卵に出会えればという期待を持ちながら,最低でもヤブヤンマの産卵は見よう,ということで出かけました.

ヤブヤンマの産卵は午後なのですが,念のため9:00頃に現地入りし,待つことにしました.湿地では,ホソミイトトンボの夏型や,アジアイトトンボが繁殖活動をしていました.アジアイトトンボは数が多く,多分二化目がたくさん出てきているのでしょう,未熟なものから羽化直後,成熟個体までうじゃうじゃ状態でした.

写真のアジアイトトンボの交尾ペアは,ハート型になった部分が,まるで輪投げがゴールに入ったような感じで,植物の茎にすっぽりとはまり,抜け出せなくなってしまったものです.このペアにとっては思わぬアクシデントでしたが,見ている方はほほえましく,思わず笑ってしまいました.暴れれば暴れるほど下に落ちていくので,オスのあわてぶりが何ともいえず滑稽でした.メスはしっかりと葉につかまっているのにね.

ヤブヤンマは日陰に来るので,日陰に入って待つことにしました.日陰では,アキアカネの未熟個体や,リスアカネの成熟個体がいて,もう秋の始まりを感じてしまいました.リスアカネは,メスが単独で産卵にも訪れました.こちらは繁殖活動を7月には開始するので,秋のアカトンボとはいえないのですが,秋に多く見かけることは事実ですし,まあ秋のトンボということにしておきましょう.

さて,本命のヤブヤンマの方ですが,午前中はほとんど音沙汰なしという感じでしたが,12時の少し前,11:30ころに,オスが林の中にある水たまりの上に入ってきました.入ったかと思うと,すっと水たまりの上にオーバーハングする木の枝に止まりました.カメラに収めるには大チャンスです.

このオスの静止,単なる休息とは思えません.このオスかどうかは分かりませんが,少し前に,この場所を偵察するように飛んだオスがいました.そしてしばらくしてこれがやって来たのです.おそらく一種のメスを待つ行動ではないでしょうか.というのは,このオスは,1時間以上静止していて,メスが入って私が動き回った12:54に飛び去り,また13:37に再びやってきて,ほとんど同じ位置に止まりました.これが同じ個体であることは,右前翅にからまっているクモの巣糸の形状で確認しました.

さて,先に書きましたが,メスが13:00少し前に入りました.明らかに産卵に来たような飛び方をしています.一度コケの所に止まりましたが,木漏れ日が差しているためか,すぐに飛び立ち,土の斜面で産卵を始めました.産卵するヤブヤンマは結構敏感なのですが,このメスは,カメラの至近距離でストロボを焚いても,動じずに産卵を続けてくれました.そういえば,先の静止オスも,至近距離でストロボをがんがん焚いても全く動じずに止まっていました.今日は性格のいい個体に出会えたようです.

ネアカヨシヤンマの方は姿すら見ることはできませんでした.まあ当然でしょうね.個体数は非常に少ないようですから.ただ,収穫がありました.このヤブヤンマの観察場所に羽化殻が残っていたのです.ここで羽化したことは間違いありません.ということは産卵に来る可能性が今年もあるということです.非常に低い確率ではありますが,今年はヤンマ上科を観察するというテーマで活動を続けていますので,懲りずにまた来るかもしれませんね.

さて,来たときからずっと一緒に過ごしたオオシオカラトンボのオス.彼もねばり強くメスが来るのを待っていましたけれども,やっと,彼もメスに出会えたようです.めでたしめでたし.というところで,今日は観察を終えました.

最後に今日のゲストを紹介.ニホンアカガエルです.同じ場所でじっとトンボを待っていると,色々な生き物に出会います.イノシシやクマはいやですが,カエルくらいならかわいいものです.

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