トンボ歳時記
No.152. ヨツボシトンボの観察. 2010.5.15.

今日もまた朝からよい天気.気温がやや低い感じがしましたが,それでも14℃.気にせず観察に出かけました.今日は,もう一度ヨツボシトンボの観察をすることにしました.最近はよい生息地がすぐなくなってしまうので,たくさんいるときが観察時と割り切って,再々度出かけました.

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▲定点ポイントもだいぶん植生が茂ってきた.

朝,8:30頃に現地に入りましたが,風は冷たく,ヨツボシトンボは2,3頭オスが飛んでいるだけで,トラフトンボも,シオヤトンボもクロイトトンボも池にはまだ出てきません.9:00を過ぎて,風が弱まり,日射しに力を感じる頃になると,ヨツボシトンボの数がどんどん増えてきて,クロイトトンボも池の上を飛び回るようになりました.9:30頃にはトラフトンボも飛び始めました.

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▲ヨツボシトンボのオスたち.
 上:パトロールするオス.中左:時々止まる,中右:オスの飛翔.
 下:若いオス.まだこの時期非常に新鮮な個体もいる.

ヨツボシトンボは,朝のうちは元気で全く止まらず,飛び回ります.とても写真にはなりませんが,偶然1頭のオスがファインダーに入ったときピントが合っていて,うまく飛翔が写真に撮れました.オスは時々ホバリングをするのですが,わずか1秒程度で,カメラを向けてもピントが合う前にファインダーから消えてしまいますので,なかなか写真撮影するには手強い相手です.

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▲産卵にやってきたメス.下の写真では,水が前に飛び始めている.

しばらくはオスばかりが飛んでいてメスは現れませんでした.10:30頃になるとメスが入るようになり,幸い近くで産卵もしてくれました.ヨツボシトンボは,産卵のストロークが高く,また移動も激しいので,メスの産卵の写真も結構大変です.なんとか,数枚写真に収めることができました.

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▲トラフトンボ
 上・中左:オスのパトロール.中右・下:メスが卵塊を作っている.

ヨツボシトンボが産卵に来るのを待っているとき,トラフトンボの交尾態が池に入り,やがて,メスが離れて卵塊を作り始めました.残念ながら高い位置で,空をバックにしてしまいましたので逆光になりました.なかなかストロボを焚くところまで気が回りませんでしたね.

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▲上:クロイトトンボのタンデム.メスは青色型.
 2段目左:クロイトトンボの交尾.メスは緑色型.右:草地で休む若いメス.
 3段目:シオヤトンボのオス.複眼の濃青色が美しい.
 下左:ハラビロトンボのテネラルなメス.右:フタスジサナエのオス.

あとこの池では,クロイトトンボ,シオヤトンボ,フタスジサナエなどがいて,ハラビロトンボのテネラルな個体が1頭いました.クロイトトンボの産卵ペアは,あちこちでオオクチバスに食べられていました.

さて,ここは午前中にして,次は,ホンサナエの探索に出かけることにしました.