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川のトンボ調査 -part.2 /2010.5.8., a.m.-p.m.

さて,実際に川に降りてみると,未熟なアオハダトンボが飛びかっていました.今日はまだ5月上旬ですから,この時期にアオハダトンボが飛ぶのはかなり早いのではないかと思います.試しに関西トンボ談話会(1984)の「近畿のトンボ」の消長図を見ると5月中旬よりの出現になっています.また最近発行された「近畿のトンボ図鑑(いかだ社)」でも,5月中旬からの出現と書かれています.写真で見ても分かりますが,今日羽化したというものではありません.昨日・一昨日は天気が悪かったので,おそらくゴールデンウィーク中に羽化していたものと考えられます.

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▲アオハダトンボのオスとメス.未熟だが羽化直後という個体ではない.

さて,アオハダトンボ以外に,ニホンカワトンボがたくさん飛んでいました.こちらは先の小川の個体と違って,ほぼ完全に成熟した個体です.

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▲ニホンカワトンボの橙色翅のオス.

ふと横を通り過ぎた個体がどうも淡橙色翅のオスに見えましたので探しますと,いましたいました.淡橙色翅のオスはどこででも見られるものではないので,少し嬉しくなりました.もっとも,佐用郡には過去に記録がありますので,初発見というわけではありません.

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▲ニホンカワトンボの淡橙色翅のオス.

メスの方は淡橙色翅の個体がたくさんいました.これも完全に成熟しています.ここのニホンカワトンボはかなり早い時期に羽化したようです.

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▲ニホンカワトンボの淡橙色翅のメス.

こうなると,透明翅のオスやメスも探したくなります.ちょっと気合いが入ってきて真剣モードになりました.すぐに見つかったのは透明翅のメスでした.翅脈が黒いので,淡橙色翅のメスとは簡単に区別がつきます.

ファイル 149-5.jpg
▲ニホンカワトンボの透明翅のメス.翅脈が黒い.

さて,最後の一つ,透明翅のオスを探し回りました.しかし残念ながらこれだけは見つけることができませんでした.ニホンカワトンボの5型がそろっている生息場所にはなりませんでしたが,これはもっと時間をかけて広い範囲を探せば見つかる可能性はありますので,またの楽しみにしておきたいと思います.

それにしても,川によって,カワトンボ類の羽化時期がずいぶん違うことが判明しました.とてもおもしろいと感じた次第です.



<参考文献>
 関西トンボ談話会編,1984,近畿のトンボ.関西トンボ談話会,大阪.
 山本哲央他,2009.近畿のトンボ図鑑.いかだ社,東京.