トンボノート
No.875. リスアカネの産卵.2022.9.11.

今日は秋を探しに出かけてみました.もう一つは,私がトンボ好きだと知っている学生さんが,学校でベニトンボを見たと言っていたので,その学校周辺の公園の池に,ベニトンボがいないか見に行きました.まあ,結果的にはベニトンボは見られなかったです.

今日は,この公園を含めて,3つの公園を歩いてきました.一つ目の公園ではタイワンウチワヤンマ,ギンヤンマ,コシアキトンボ,ウスバキトンボ,オオシオカラトンボ,シオカラトンボ,ネキトンボなどの姿を確認しました.


▲タイワンウチワヤンマのオス.

二つ目の公園には,親子連れがたくさん来ていて,ほとんどの家族の子供やお父さんが網を振っていました.この時期,バッタとトンボが一番目立つので,家族連れの虫かごの中身は,ほとんどバッタとトンボでした.これだけ網を振られると,池には数が多いシオカラトンボと子供では採るのが難しいギンヤンマぐらいしかいません.ちょっとかごをのぞかせてもらうと,マユタテアカネをとっている子供がいました.ここでは私はマユタテアカネを見ませんでしたので,なかなかやるな,という感じでした.


▲たくさんの子供たちが網を振っていたが,シオカラトンボは採り尽くせない?.

こんな感じなので,明るい池を避けて,私はほとんど真っ暗な林の中の池を目指すことにしました.樹林の中の細道に入ると,虫採りをしている家族連れは全くいません.さすがにこんな薄暗いところにトンボがいるとは思わないのでしょう.目的の池に着きますと,リスアカネが合計3ペア産卵していました.単独オスも4,5頭飛んでいます.


▲リスアカネの産卵.あまりに暗いので,ピントはほとんど勘に頼った.


▲リスアカネの産卵.

リスアカネはアカトンボですが,秋のアカトンボとはいえず,7月終わり頃からもう産卵をしているトンボですので,秋の「訪れ」を感じるというのではありませんでした.


▲リスアカネの産卵.

産卵はいつも通り,池の水際の陸上で行われています.所々に木漏れ日が差し込んでおり,それがバックにくるとトンボの姿をはっきりと視認できます.


▲池の水面に反射する木漏れ日をバックに産卵するリスアカネ.

さて,三つ目の公園には,カトリヤンマを探しに入りました.しかし全くといっていいほどトンボ自体がいませんでした.40分ほど歩いて,見つけたのは,ハグロトンボ(1),オオシオカラトンボ(2),リスアカネ(2),コシアキトンボ(1)だけでした.たったの6頭.本当にトンボがいません,この時期...

今年この時期にトンボを見に来て,夏のトンボの生き残りが少ないのと,オニヤンマをほとんど見ないのが気になります.例年なら,「またオニか」というぐらいこの時期には飛んでいるのですが,姿を見ません.今,サイレント・アースという本を読んでいて,これには,全世界で昆虫が減っていることが書かれています.「沈黙の春」の昆虫版とでも言うべき本です.私もフィールドに出て,本当にそれを感じます.

今日は結局小さな秋は見つかりませんでした.