トンボノート
No.868. ヤブヤンマの産卵.2022.8.9.

今日は,ワンポイント観察ということで,今年というか,この数年どうしてもうまくいっていないヤブヤンマの産卵を見に行くことにしました.ちょっと調べてみると2018年を最後にヤブヤンマの産卵に接近遭遇していなかったのです.

いつものポイントに11:00頃に入りました.一瞥しただけでは何もいない感じです.リスアカネが止まっていましたので,まずそれを記録しておこうと移動しました.


▲日陰で繁殖活動を始めているリスアカネのオス.

すると,足下からヤブヤンマのメスが飛び立ちました.リスアカネが興味を示して近づきます.ヤブヤンマのメスはちょっと大回りしてそれをかわし,私のすぐ前の地面に止まり産卵を再開しました.


▲すぐ向こうの地面に止まって,土中産卵をするヤブヤンマのメス.

少しずつ近づいていきましたが,ほとんど動じることなく産卵を続けています.しばらくして飛び立ちました.木漏れ日の射すところで産卵を始めました.顔の部分にだけ日が当たっていて複眼が光っていました.


▲緑色に光る複眼を持つ,ヤブヤンマのメス.

これに近づこうとしましたが,今度は気づかれて飛ばれました.少し離れて水たまりの上を飛び回りましたが,やがて戻ってきました.そして時々あることですが,私の方に近づいてきました.そして手の届くような距離に止まって産卵を始めました.


▲もう至近距離で撮影している.下の写真はノートリミングで縦横比が異なる.

産卵しているところがカメラの最短撮影距離よりも内側という状況で,少しカメラを引いて撮影しました.上の下の写真はノートリミングで,いかに近くで撮影しているかが分かるでしょう.せっかくですから動画も撮影しました.ただ三脚を使っていないので揺れ揺れ!.


▲コケの生えた斜面で産卵するメス.私の好きなポーズである.

写真は十分撮れました.メスはまだまだ産卵を続けています.木陰で暑くもないので,しばらく産卵メスと過ごすことにしました.こちらが動きをやめると,メスも落ち着いて,同じ場所で10分近く産卵し続けました.例によって,止まっている足場を中心にして,腹端先端で円を描くように少しずつまわりながら産卵をしています.産卵管は土の中を突き刺しています.私はそれをじっと見ているだけ.なんか,すごく贅沢な時間のように思えました.

やがてさっと飛び立つと,一度水浴して,樹林の方に飛び去っていきました.4年ぶりの産卵接近遭遇でした.私の今日の目的は到着後わずか30分ほどで達成されました.こんな日も時々あります.帰りに川をのぞいてみますと,なんとキイロサナエのメスがいました.8月に見たのは初めてではないかなぁ.


▲淡色部も色がほとんど抜けて白くなった,老熟キイロサナエ.メス.

あともう少しトンボを探そうとも考えましたが,暑さのせいか,意欲がわかず,これで終えることにしました.とにかく暑すぎます.

そうそう,最後にゲスト.コゲラを見ました.県内でキツツキを見るのは初めてで,普通種だということですが,嬉しく思いました.


▲初めて間近に見たコゲラ.人なつっこいのか,近づいても逃げなかった.