トンボノート
No.796. 街中の公園めぐり.2021.7.11.

梅雨明けはまだですが,今日は天気予報と違って,朝から青空が出ていました.そろそろ夏のヤンマが出てきそうですが,ヤンマが見られそうなところは雨の予報.そこで,自宅上空の青空を信じて,街中の公園巡りをすることにしました.ねらいはタイワンウチワヤンマです.そろそろすがたを現す時期になりましたから….

まずは一つ目の緑地公園.公園の駐車場に車を止め,中の池の畔に着くと,早速目的達成です.タイワンウチワヤンマが池の畔で活動をしていました.



▲体色が鮮やかな若いタイワンウチワヤンマ.

そのほかには,チョウトンボ,コシアキトンボ,ショウジョウトンボ,シオカラトンボ,クロイトトンボ,ギンヤンマなどが見られました.



▲シオカラトンボのオスとメス.メスは産卵中.

▲ショウジョウトンボのオス.

次は公園ではありませんが,ずっと以前コフキトンボがものすごい数いた池の様子をちょっとのぞいてみることにしました.この池は本当に住宅街のまん中にぽつんと残された池です.しかし,トンボの姿はほとんどなく,コフキトンボが3頭ほどと,ウチワヤンマ,コシアキトンボ,シオカラトンボが1,2頭見られただけでした.池はプランクトンが大量に出ているのでしょうか,入浴剤を入れたような緑色をしていました.あのコフキトンボの大群は遠い夢物語になりつつあるようです.

▲かろうじて生き残っていたコフキトンボのオス.

ということで目的地の親水公園に行きました.ここはガガブタが密に茂っていて,浮葉植物で水面が覆われた池です.田園地帯の池は,外来生物のせいでしょうか,最近は浮葉植物がびっしりと茂る池が激減しています.結局外来生物が侵入しにくい都会の真ん中にある,人の管理が入っている池にこういった水生植物は生き残っています.この池にはクロイトトンボとチョウトンボ,そして隣の池にウチワヤンマがいました.まだタイワンウチワヤンマは出ていませんでした.









▲街中の親水公園で,ガガブタやヒシの葉に産卵するクロイトトンボたち.

こういう池は,かつては,トトロの森のような田園地帯にあったものでした.本当に田園地帯は生物的に荒れが目立ちます.

次は,公園ではありませんが,散策路が周囲にめぐらされている,ため池ミュージアムの一つの池です.ここには,チョウトンボ,コフキトンボ,ショウジョウトンボ,ギンヤンマ,アオモンイトトンボがいました.この池に来たのは午後になっていましたので,アオモンイトトンボが産卵をしていました.見ようと思うとなかなか出会えないのに,ちょっと寄ったときには,2頭が目の前で産卵しているんですね.



▲チョウトンボはたくさんいたが,齢がだいぶん進んでいる感じがした.







▲アオモンイトトンボの産卵.腹部を大きく曲げるときは翅を開く.

街中の池を回るだけでも,結構時間がかかるものです.今日はあと一つにしました.今年何度となく通った,ウチワヤンマとコフキトンボの池です.でも,コフキトンボは数が減っていました.池の外には,若いやや小型のコフキトンボがいて,二化目のように思えました.またウスバキトンボが池の外で群飛していました.

▲まだ若い感じがするウチワヤンマオス.

▲コシアキトンボが相変わらず元気である.

▲池の外の道路上でウスバキトンボが摂食飛翔をしていた.

結局最後まで快晴状態で,半袖で腕が真っ赤に日焼けしました.この時期は本当はヒメサナエやオジロサナエも見に行きたいのですが,豪雨のあとの山中林道は怖いですので,もう少しして水が引いてから行くことにします.