トンボノート
No.781. ロケハンとRAW撮影テスト.2021.5.22.

最近だんだんとカメラに凝ってきて,ちょっと画質向上を目指して,RAW撮影を試してみることにしました.連写を少しでも多くしたかったのとメモリカードの消費を抑えるために,もっぱらJPEGで撮影してきました.でも自宅で羽化殻図鑑の写真を撮っていると,RAWデータの鮮明さと調節効果に感動してしまいました.

今日は天気の回復もまだ十分ではないこともあり,RAW撮影テストを兼ねて,晴れそうな明日の本番のロケハンを行いました.5箇所回ってきました.その中から4種の写真を.まずはヒラサナエ.オスは日が射したときに撮影した未処理のものですが,メスは曇っているときに撮影し,晴れたときのイメージに近づけてみました.また腹部の黒い部分の階調も調整してみました.晴れたときのオスの黒部分より階調が出ているように思えます.

▲ヒラサナエのオス.ほんの一瞬日が射したときに撮影した.
▲ヒラサナエのメス.曇っているときに撮影したものを,ホワイトバランスなどをRAWで調整したもの.
▲ヒラサナエの交尾.

このあと源流域のトンボを見に行ったのですが,なんと雨が降ってきましたので,山を下りることにしました.次は平地の池です.15:00頃から青空が出て晴天になりました.いかんせん,時刻が遅すぎました.午前中を中心に活動するトンボたちはもうほとんど出てきません.シオヤトンボが交尾していたのと,クロスジギンヤンマがパトロールしていました.このクロスジギンヤンマ,露出オーバー気味でしたが,14bitのRAWで撮影したので,前額が白飛びしていたのが回復し,上下で微妙に色が違うのが出ています.また胸部の黄緑色の階調も残っています.同時に記録した8bitのJPEG画像では,調整しても,前額はほとんど飽和状態で白っぽく,黄緑色の部分もぎらぎらして飛んでいます.

▲14bit RAWなので,腹部の白粉が,明るさ調節しても白飛びしない.
▲クロスジギンヤンマのオスのパトロール.14bitRAW画像を調整したもの.
▲上と同じ写真のJPEG記録画像を調整したもの.ギラギラした感じになってしまっている.

11時頃から観察を始めたので,5箇所目はもう15:30ぐらいになっていました.最後にホンサナエがまだいるかと思って,立ち寄ってみました.オスが3頭いました.川は増水していては入れそうにないので,もう少し待てばメスが来るかも知れませんが,それは止めることにしました.





▲この3枚は,トリミング以外は特に調整をしていません.

とにかく階調が保持されていて,いくらかの調整を行っても,階調が少なくなってべたっとした感じになりません.まあ14bitといえば,JPEGの8bitに対して,R,G,Bそれぞれ256階調がその64倍の16,384階調で記録されているわけですから,相当に露出が過不足していても,かなり調整がきくことになります.飛んでいるトンボなど,カメラの設定など最初にやるだけで,あとはシャッターを切るだけという撮影ですから,RAW撮影をもっと早く手がけていればよかったと,クロスジギンヤンマの写真を見て思いました.