トンボノート
No.778. ホンサナエの観察.2021.5.6.

今日は雨天の合間の快晴日.ホンサナエ,コサナエ,ヒラサナエを見に行くことにしました.ヒラサナエは今まで行ったことのない場所へ確認に行こうと思いました.そこで,朝一番にホンサナエの状態を見て,次いでコサナエをちょっと探して,その後高い山の上にある湿原へ行き,夕方のホンサナエの産卵という順序にすることにしました.

まずはホンサナエの状況確認です.今年はホンサナエの数が非常に少なかったです.全部で5頭のオスしか確認できませんでした.昨日の雨で増水しているかと思いましたが,それほどでもなく,状況は悪くありません.個体数の年変動かも知れませんね.



▲ホンサナエのオスたち.彼らはどこで羽化しているのだろう.今年見に行ったのだが不明であった.

とにかくまだ消滅はしていなかったので,ほっとしました.ホンサナエというトンボは,今までの経験から,ある年突然いなくなってしまうというパターンがあるのです.こんな少なくてメスが来るか?とも思いましたが,とにかく次はコサナエを見に行くことにしました.いつもと違う場所へ行ってみることにしました.残念ながらコサナエの姿はなく,シオヤトンボ,ホソミオツネントンボ,ホソミイトトンボというところでした.

▲コサナエを見に行った池,というか湿地で,産卵していたホソミオツネントンボ.

次はヒラサナエです.20年以上も前に一度行ったことのある湿原です.今度の車にはナビがついているので,ナビで行ってみることにしました.面白半分で携帯電話のGoogleMapでもルート検索しナビを起動したら,カーナビとGoogleMapナビで,それぞれ山の反対側から上るルートを指定してきました.カーナビの方を信頼して,そのルートで行くことにしました.しかし林道を30分ほど上ったところで通行止め.また30分ほどかけて下り,今度はGoogleMapの指定道路で行こうとしましたら,今度は通行禁止.2時間以上時間を無駄にして,結局たどり着けませんでした.歩いて行くしかないのでしょうかね.また今度攻めることにしたいと思います.

時間もだいぶん過ぎましたので,仕方なく,予定通り,ホンサナエの産卵を見に行くことにしました.

現地に入ったのは 16:30 少し前.時間的にはいい感じです.川をのぞくと,ほどなくメスが通り過ぎました.いい感触です.来る数が少ないと予想されましたので,ウェーダーをはいて川に入り,万全の準備をして待つことにしました.すると,オスが1頭水面を飛び始めました.もうまったく他のオスの姿はありません.夕方まで頑張ってメスを待って飛ぶオスには,たいていご褒美があります.あっと思ったら,入ったメスをきっちりとお持ち帰りされてしまいました.西日の方に向かって嬉しそうにメスを連れて飛び去っていきました.努力は必ず報われる!

▲16:40ごろ,水面をホバリングするようにスライドしながら飛ぶオス.これは明らかにメスを待つ飛び方だ.

さて,オスがまったくいなくなったし,メスも2回飛んだことになるので,来ると確信して水面をにらんでいました.すると間もなく,1頭のメスが入り,岸辺の草に止まって卵塊づくりを始めました.近づくとちょっと飛んで逃げましたが,すぐ近くで続きを始めました.



▲岸の笹の葉に止まって卵塊を作り始めたが,近づくとちょっと飛んでまた継続した.

このメスは一度飛び立ち,打水して放卵し,再び岸辺に止まって卵塊を作り始めました.

▲上のメスと同じメス.翅を小刻みに震わせながら,2度目の卵塊形成をするメス.

このメスは打水すると逃げるように太陽の方に向かって飛び去りました.幸先いい感じです.少し待つと,またメスが入りましたが,見失ってしまいました.少ししてよく見ると,コンクリートの壁に止まって卵塊をつくっていました.

▲横からはみ出るほどの大きな卵塊をつくっている.

このメスは,見失ってから少し時間がたって発見したので,2回目の卵塊づくりだったのでしょう.飛び立って打水したらすぐに川から出て行きました.農家の方が車から私が写真を撮っているのを見ています.ここへは毎年のように来るので,もう顔なじみのような感じになっています.

メスはあと1回入りました.最後のメスは敏感で,近づくとすぐに移動し,ほとんど写真にはなりませんでした.証拠写真を一枚だけ.

▲3頭目のメス.

打水の瞬間を撮ろうと思いましたが,これはまったくダメでした.17:35終了.まあ今日は8時間ぐらい車に乗って移動ばかりしていた感じで疲れましたが,終わりよければすべてよしということで,夜道を帰りました.