トンボノート
No.740. 6月のトンボたち.2020.6.23.

今日は,6月のふつうのトンボを,散歩ついでに見てきました.6月はほんのちょっと探しただけで,多種のトンボに出会えるので楽しいですね.まずはキイロサナエ.もうヤマサナエの姿は見られませんでした.

▲キイロサナエのオス.

続いてコフキトンボ.今日訪れた場所は,以前はたくさんのコフキトンボがいたところでしたが,最近はせいぜい数頭しか見られなくなっています.前回はメスばかり撮ったので今日はオスも忘れないように撮りました.



▲コフキトンボのオス(上)とメス(下).

この時期に姿を見せはじめるのがチョウトンボです.まだ少し数は少ない感じでしたが,池に出て活動していました.

▲チョウトンボのオス.

もうたくさん出て活動しているのがシオカラトンボ.いつも無視しがちですが,今日はきちんと記録しておきました.

▲シオカラトンボのオス

池で数多くが追いかけ合いをしたり産卵をしたりして活発に活動していたのがショウジョウトンボです.体の赤がワインレッド調ですが,今ひとつ色の輝きが抜け切れていないのが惜しいところです.成熟虫はどこかに濁りが感じられるのですね.

▲ショウジョウトンボのオス.

湿地ではハッチョウトンボがたくさん活動していました.今日はじっくり観察することはせず,ざーっと見て回るのがねらいですので,繁殖活動は見ていません.



▲ハッチョウトンボのオス(上)とメス(下).

アカトンボの羽化も始まっており,ネキトンボがたくさん飛び立っていました.残念ながら,こちらが見つける前に飛び立ったので,記録はできませんでした.アキアカネがぽつんと日陰の池に止まっていました.

▲羽化直後と思われるアキアカネ.

これ以外の不均翅類では,ギンヤンマ,クロスジギンヤンマ,ヨツボシトンボ,ウスバキトンボ,オオシオカラトンボ,コシアキトンボ,コオニヤンマ,コヤマトンボ,オオヤマトンボなどの姿を見かけました.均翅類については,まずキイトトンボ.未熟なものから産卵しているペアまで,あちこちで見かけました.

▲キイトトンボのオス.

モートンイトトンボも湿地や休耕田で活動していました.ハッチョウトンボに混じって飛んでいるものもいました.

▲モートンイトトンボのオス.

オオアオイトトンボの羽化期に当たったようで,幼虫が出てきてこれから羽化しようとするタイミングにも出会いました.こういうのはなかなかチャンスはありません.また羽化途中の個体もいましたし,ちょっと残酷ですが,羽化途中にクモに襲われた個体もいました.クモが脚を顔面にからめている姿は,映画エイリアンの幼体が人の顔に貼り付いているのを連想させられました.

▲これから羽化を始めるオオアオイトトンボ幼虫.
▲羽化途中のオオアオイトトンボのメス.
▲クモに襲われたオオアオイトトンボの羽化途中の個体.

あと,日陰でオオアオイトトンボが羽化している横では,モノサシトンボが活動をしていました.均翅類では,これ以外には,オオイトトンボ,クロイトトンボ,アオイトトンボなどが見られました.

▲モノサシトンボのタンデム.

ちょっと散歩がてらに歩いただけで,24種のトンボに出会うことができました.あと,ちょっとヤゴをすくってみたのですが,ナツアカネ,キトンボなどが採れました.これで合計26種.特に数少ないトンボを見に行くのでなければ,最近は,田園地帯へ出かけるより,自然を活かした公園に行く方が,たくさんのトンボに出会えるようです.