トンボノート
No.702. ナツアカネとカトリヤンマの幼虫.2019.7.2.

今日は,ホームページの充実のために,カトリヤンマとナツアカネの幼虫を採集に行きました.なんと,友人の案内で奈良県にまで出張しました.これらの幼虫は,水田で発生することが多く,かつては,どちらかというと非常に採集しやすい幼虫でした.しかし,今の兵庫県の水田の多くは,ほとんどトンボが発生しない状態になっています.おそらく使用薬剤の関係だと思います.

今日行ったのは,以前から継続的に薬剤を使っていないという水田で,ほんの十数分も採集したら,多数のカトリヤンマ,ナツアカネ,アキアカネの幼虫が入りました.これがかつての普通の水田の姿です.さらに,ホソミオツネントンボもたくさん網に入りました.先日あれほど苦労したのに,ここでは,到着後1分しないうちに数頭の幼虫が採れました.他には,アオイトトンボ幼虫や,キイトトンボやマユタテアカネの羽化が見られ,その他のタイコウチやコオイムシなどの水生昆虫もたくさんいました.まさに生きている水田でした.

▲ナツアカネの幼虫. 腹部第8節の側棘が長く,第9節後縁を越える.
▲ナツアカネの幼虫.
▲ホソミオツネントンボの幼虫.尾鰓の上縁・下縁に3つずつ褐色の小班が見える.
▲ホソミオツネントンボの幼虫.
▲カトリヤンマの幼虫.腹部背面の正中線に黒いスジが見られる.
▲カトリヤンマの幼虫.

以前は幼虫をよく採りに行きましたが,最近は本当に行く機会が少なくなりました.どこをすくっても,幼虫が入らないからです.久しぶりに昔を思い出したひとときでした.