兵庫県の幼虫ガイド
H025. サラサヤンマ Sarasaeschna pryeri
サラサヤンマ終齢幼虫
写真1.サラサヤンマ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長は30mmくらい.1997.12.30.
<特ちょう>
 腹の部分が横に広がらず,まっすぐに伸びています.ほかのヤンマよりずっと小さく,見た感じも大きくちがいます.一番の特ちょうは,ほかのヤンマにくらべて触角(しょっかく)が太く長いことです.ほかのヤンマはあるのかないのか分からないくらい,短く細いです.腹の横のとげ(側棘:そっきょく)は,腹部の第6−9節にありますが,第8,9節のものが横に広がっていて目立ちます.しかし第6節のとげはあまり目立ちません.

サラサヤンマのはいきょく サラサヤンマのそっきょく
写真2.サラサヤンマの触角.とても太く長いです. 写真3.サラサヤンマの横のとげ.第6〜9節にあります.


<さがす場所のヒント>
 この幼虫は,湿地の小さな水たまりなどで生活していますが,ほとんど見つかりません.この幼虫を見つけるのは非常にむずかしいです.下の写真のように,メスは,湿地の水のないところにころがっている枯れ木などに卵を産みます.でも,そのあたりをいくらさがしても幼虫が見つからないのです.春になると,ふしぎなことにぬけがらがついていたりしますので,きっとどこか見つかりにくいところにかくれているのでしょう.

サラサヤンマの産卵場所.
写真4.サラサヤンマの産卵.サラサヤンマは春に湿地にころがっている枯れ木に卵を産みます.