続 トンボ歳時記
No.594. ムカシヤンマの産卵.2018.5.27.

いわゆる春のトンボの最後を飾る観察が,ムカシヤンマの産卵です.今日はこれ一本で攻めることにしました.過去の経験から,今日の観察地では11:30くらいにメスが産卵に入ってきます.でもいつものように,少し早い目に現地に入り待ち続けることにしました.天気は晴れていて,ちょうど産卵適所は陰になっています.待つこと2時間,11:00ちょうどに,やっと1頭のメスが産卵にやって来ました.

▲11:00,メスが産卵にやって来た.まずは裸の濡れた崖に産卵を始めた.

このメスはあまり落ち着きがなく,あちこち飛んでは,腹端を基質に当て,産卵基質の状態を調べているようです.近づく前に場所を変えるので,なかなか近づけません.結局追いかけ合いをしているようで,こうなるとトンボの方も私の動きが気になるのだと思います.結局2分あまりでこの場所を捨ててどこかへ飛び去っていきました.

▲やはり,水がある場所に産卵しているのが分かる.

▲飛び立って,次の着地点を探っているのだろうか.

▲湿ったコケの間に産卵しているムカシヤンマのメス.

ここは以前の観察場所と違っていて,開けた場所で,写真撮影には適していますが,トンボには隠れるところがなく,落ち着かないのかもしれません.帰りに以前の場所に寄ってみましたら,産卵をしていました.ここには先客がいて,引き上げることにしました.

▲ムカシヤンマのオス.5月25日,同じ生息地で撮影.

最後にオスの写真で花を添えておきます.これは一昨日に撮影したものです.今日はオスの姿をまったく見かけませんでした.

さて,これで春のトンボ観察計画は終了です.次の観察からは,初夏,そして夏のトンボとなります.いわゆる普通種が多いので,効率よく観察ができることを祈っている次第です.