トンボ観察記
No.548. ホンサナエの観察.2017.5.21.

この時期は,ムカシトンボを始めとした源流域のトンボが気になって,ホンサナエの観察がどうも後手に回ります.というか数が少ないので,観察に失敗して,貴重な春の晴天の休日を無駄にしてしまうような気がして気持ちが引けてしまうのです.でも今年は源流域のトンボたちも遅れているようで,まだ来週・再来週も行けそうな予想.そこで,今日はホンサナエをメインにして観察に行くことにしました.

今日はホンサナエの観察に来て大正解だったようです.8:30頃に現地に到着して,川に沿って歩きますと,ホンサナエが結構たくさん飛んでいるではないですか.川の縁の植物の上に止まってメスが来るのを待っているのでしょうか.

▲川の縁の植物上に止まってメスを待っている.

▲川の対岸に止まって,頭を下にしてすぐにスクランブルをかけられるようにしている.

時々飛び立って周辺をパトロールするように飛びます.時にはオス同士が出会い,激しく追尾する姿も観察できました.あちこち歩き回って,なんとかオスに接近することもでき,写真に記録することができました.

▲ホンサナエのオスたち.それぞれ別の個体.

オスたちは全部で10頭はいたように思います.こんなにたくさんのオスがいるのを最近は全く見ることはありませんでした.この数ですからメスも来る可能性があると思い,しばらく待ちました.結局メスを記録に撮ることはできませんでした.ただ,到着して少ししたとき,川の方から目の前を猛スピードで飛び去るホンサナエのメスを見ましたので,きっと私の目のつかなかったところで打水し,逃げていったところだったのでしょう.観察中,黒いやや大きめのトンボが川の広い範囲をコヤマトンボのように飛ぶのを見ました.正体が分かりませんでしたので飛んでいるところを撮影し確認したところ,アオサナエでした.あとで止まっているところを見つけました.

▲アオサナエのオス.広範囲を飛ぶような性質があったのだ.

夕方にも産卵する可能性があるので,昼の間に昨日の源流域に再挑戦し,16:00ころ戻ってきてホンサナエの観察を続けました.まだオスが水面を飛ぶ姿を見ることができました.

▲16:00過ぎ,水面を飛んでパトロールするホンサナエのオス.

でも,1頭,また1頭と,オスたちは背後の樹林高くへ飛び去っていきました.そろそろオスの活動も終わりなのでしょう.メスはまだ来る可能性は十分あります.ただ,明日は仕事.帰るのに時間もかかるし,ここで終わりにしました.