新 トンボ歳時記
No.351. タベサナエの繁殖活動 2012.5.13.-(2)

さて,今日の散歩の終着点はタベサナエの見られる池です.タベサナエは川でも見られます.川と池の両方で平気で繁殖をしている,ちょっと珍しいトンボといえるかもしれませんね.

池の周辺には伐採された後に伸び始めたドングリ(コナラ?)の木が生えていて,そこにたくさんのオスが止まっていました.池にはすでに多くのオスが入っているので,なわばりにあぶれたオスかもしれません.いずれも成熟したオスたちです.

さて,池に降りますと,そこには追いかけ合いをしたりして,なわばり争いをしているオスたちがひしめいていました.なわばり活動をしながらも摂食はするようで,1頭のオスはアサヒナカワトンボを捕まえて食べようとしていました.

時刻は10:30を少し過ぎたあたりです.先日コサナエを観察したときに,産卵にたくさんのメスがやってきたのがちょうどこのころでしたので,タベサナエも同じだろうと予想してやってきました.いや,今日は予定が本当に次々と実現していく日です.水際に降りるやいなや,メスが産卵に入りました.さっと飛び込んでくるといった感じで,水際の植物の葉に止まりました.卵塊をつくっているのでしょうか.そして,すぐにその場で上昇するように飛び立ち,産卵を始めました.

産卵を横から見ようとするのですが,どういうわけか,メスは私の股の下に入り込んで産卵します.上側に何か陰になるものがある場所が好きなのでしょうか,長靴のすぐそばで産卵しています.どうしても上から見下ろすような写真になってしまいます.メスは次々に入ってきました.次のメスは少し離れたところで産卵をし始めたので,ちょうどいい角度で写真が撮れるかと思いきや,またもや股の下に入り込んでホバリングします??.全く変なトンボですね.

その後も都合7.8頭のメスが入ったと思いますが,オスが見つけて連れ去るのも3頭くらいいて,落ち着いて写真が撮れたのは,最初の2頭だけでした.目の前でオスがメスをたたき落としつかむ瞬間を目にしました.また,別のオスは,メスをたたき落としましたが,メスが草陰に転がり落ちて隠れたため,オスは諦めて飛び去っていくというようなこともありました.

コサナエの時と同じで,11:20ころになると,メスがやってこなくなり,産卵活動はぴたっと終了したような感じでした.

今日は,お散歩コースといい,タベサナエの繁殖活動といい,ねらいがすべて的中した充実した半日でした.まあたまにはこういった日もなくてはねぇ.