今日は,春の小型サナエトンボを探して,各地を回ることにしました.例年ですと,この時期には,羽化地の近くの農道などをひらひらと飛び回っているころです.しかし昨年同様,今年もトンボの出現は遅れそうなので,どうなることやら….

第一観察地

まず最初は定点池から観察を始めました.フタスジサナエが羽化していないかどうかを確かめるのと,うまくいけば遅いトラフトンボの羽化なども見られるかもしれません.フタスジサナエやトラフトンボの羽化殻が見つかり,もうすでに羽化していることは確実なようです.でも未熟なトンボを見つけることができませんでした.いたのは,アジアイトトンボと,クロイトトンボの未熟個体でした.アジアイトトンボの方はもう成熟しており,先週あたりに羽化を終えていたようです.

アジアイトトンボとクロイトトンボ

目的のフタスジサナエを見つけることができませんでしたので,加古川市の方へ移動しました.ここも過去にフタスジサナエの羽化を観察したところです.池は水が多く,岸辺が,フタスジサナエの羽化にとってはもう一つの状態でした.

第二観察地

池に入って丹念に探しますと,羽化殻がちらほら見つかり,最後に羽化途中のメス個体を発見することができました.同じところへ観察に来続けると,だんだんとトンボの数が減ってくるのを実感できます.この池も,フタスジサナエの数があまり多くないような印象を持ちました.フタスジサナエについては,明日もう一度別の場所へ行って,未熟な個体が農道をひらひらするところを観察してみたいと思っています.

フタスジサナエの羽化

さて,いちおうフタスジサナエを見ることができましたので,次はオグマサナエです.オグマサナエは最近確実に見られるところが減って,この2年ほど,幼虫もあちこちでねらっていますがすくうことがまだ叶っていません.これもできるだけ確実なところをねらって,加西市へ出かけました.

第三観察地

春の田園地帯.農道の脇の草地や雑木の葉の上など,歩くたびにひらひらとコサナエ属のトンボが飛び回る.今から20年ほど前では,神戸市でもそういった場所がありました.これこそ春の田園地帯,サナエトンボ(早苗蜻蛉)という名前が付く由来となったのではないかと思われる,そういった風景は,もう絶滅危惧状態です.でも,この地は,まだそれがわずかながらも残っていました.

オグマサナエのオスたち

オグマサナエのオスとメスが入り交じって,歩くたびに農道横の草地から飛び立ち,すぐに止まり,また歩みを進めると飛び立ちと,宮崎駿の絵に出てきそうな風景が,ここには残っていました.春の日射し,芽吹く雑木の葉,そして飛び回るサナエトンボ,かつては当たり前にあったこういった風景が,いまでは幻想的に感じるのは本当に寂しいことです.

オグマサナエのメスたち

さて,次のコサナエ属のねらいはタベサナエです.途中,ヨツボシトンボのいる池があったので,立ち寄ってみました.以前ほど数は多く見られませんでしたが,2頭のオスが,池面をせわしなく飛ぶ姿を観察することができました.イトトンボ類もあちこちから羽化個体が飛び立っていました.

第四観察地とヨツボシトンボ

とりあえず記録だけは撮って,次の観察地を目指すことにしました.タベサナエの羽化は,時期的にはもう遅いような感じがします.佐用郡まで中国道で移動しました.着いたのがお昼ころ.たとえ羽化個体がいたとしても,もう羽化は終わっているでしょう.川に入りましたところ,タベサナエの処女飛行を1つ観察しました.河岸の桜の木まで一気に飛び上がりました.あと,羽化殻もありましたので,今年も羽化は行われたようです.川では,ニホンカワトンボのオスが1頭,そして,記録としては非常に早いと思われる,アオハダトンボを見ることができました.翅の輝きと色から見て,今朝羽化したように思われます.

第五観察地.ニホンカワトンボとアオハダトンボ

このあと,カワトンボ(Mnais)属の幼虫をすくいに行きましたが不発でした.明日は,天気がよければ,タベサナエとフタスジサナエの未熟な個体が,農道を飛び回るのを観察に行きたいと考えています.

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