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やっと見つけたニホンカワトンボ /2011.5.5., a.m.-p.m.

今朝起きると,とても肌寒かったです.空は雲がかなり厚くたれ込めていました.これはもうだめだと思いながら今日の予定を考えていました.ふと思いついたのが,直立型の羽化写真を取り逃がしたアオハダトンボをもう一度採りに行くことでした.ついでに羽化したアオハダトンボも現地に逃がしてやろうと思いました.ということで,今日は幼虫調査で攻めることにしました.

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▲現地のようす.朝の曇が嘘のように晴れている.

ちょっと疲れも出ていたので,今日ははりこんで,中国道で佐用郡の方に出かけました.途中,山崎を過ぎたあたりから日が射し始め,みるみる天気がよくなってきました.この数日と天気の変化が逆で,出てきて良かったと思いました.

さて,目的のアオハダトンボ幼虫の,すぐ羽化するであろう翅芽が膨らんだ個体は,簡単に採集できました.ちょっとやらせで,自然の流れに置いた写真も撮ってみました.

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▲上:アオハダトンボ幼虫.これはやらせである.
 下:ヤマサナエの上陸した幼虫と羽化殻.

しかしながら,成虫はまったく飛ばず,タベサナエも姿がありません.帰ろうかと思って階段の方へ移動していると,突然羽化していたヤマサナエが飛び立ちました.だいたい1頭が羽化していると,近くにいくつかいるものです.案の定,次々羽化殻が見つかり,上陸している幼虫も見つけました.まだ背中が割れていないので,羽化の全過程を撮ろうかと待っていましたが,20分以上経っても動きがありません.ふつう,直立型の羽化をするサナエトンボ類は,上陸するとすぐに脱皮を始めるものです.死んでいるのかとさわってみましたら,ちゃんと生きていました.

というところで,アオハダトンボが採れたので,ヤマサナエの撮影はあきらめて,今日は新規開拓,新しいポイントを探すことにしました.そうそう,もちろん今日もここにニホンカワトンボはいませんでした.


その移動の途中,立ち寄ったところで,ジャコウアゲハの羽化を見ました.さなぎは数個近くに着いていて,5,6頭の成虫もまわりをひらひらと飛んでいました.さなぎの近くにはヨコヅナサシガメの幼虫も何匹かいて,獲物をねらっているようでした.近くの葉にはドクガ類の幼虫がいたりして,こいつをねらっていたのかもしれません.トンボがいないせいか,ゲストがやたら登場しています(笑).そして,ここにもニホンカワトンボはいませんでした.

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▲上:羽化したジャコウアゲハ.下左:ジャコウアゲハのさなぎ
 下右:ヨコヅナサシガメの幼虫.

ここでは,トンボは,シオヤトンボが通り過ぎただけでした.そこで佐用郡の北の方,南光地区の方へ移動しました.川の水はきれいですが,川そのものは,川底が平らにされていて妙にきれいで,それがかえって洪水の傷痕を感じさせる状態でした.洪水は2009年8月9日に起きたのだったと思います.2年近く経ってもまだ生物相は復旧していない印象が強かったです.


さて,まだ時間があったので,帰り道に山崎町で見つけた,水のきれいな川に立ち寄ってみました.ここで,帰り際にやっと,2頭のニホンカワトンボを見つけました.

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▲上:観察地の風景.下:やっと見つけたニホンカワトンボのメス.

この川は何かいそうな予感がして,さっそく,ウエーダーに履きかえて川に入りました.幼虫はたくさんいました.特に多かったのがヤマサナエです.それ以外にも,コシボソヤンマ,ハグロトンボ,コヤマトンボ,オジロサナエ,ダビドサナエ,オニヤンマなど,普通のトンボが普通に見られるところが良かったです.

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▲見つけた幼虫たち.一番下は現地で撮影した.
 上から,コヤマトンボ,ダビドサナエ,オジロサナエ,ハグロトンボ
 オニヤンマ,コシボソヤンマ,ヤマサナエ.
 ヤマサナエはまもなく羽化が始まりそうである.

コールデンウィーク中盤戦の最後に,きれいな「普通の」川に当たって,とても気分良く,過ごせました.

ここで最後に上の写真のニホンカワトンボを見つけましたが,佐用郡のポイントではまったく見られません.洪水が2009年の夏であったことを考えると,幼虫が上流から流されてきて,あの場所で羽化したと考えればつじつまが合います.ただし,そこで産卵はしなかったということになりますが....