トンボ歳時記
No.243. トンボの羽化が続々と... 2011.4.24.

今日は,午前中が晴で,昼から下り坂との予報.昼過ぎまでをめどに,いくつかの池を回ることにしました.本当は川に行きたかったのですが,川は昨日の雨で増水していると思われるのでやめました.

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▲上:一つ目の池.定点下の池.
 中:トラフトンボの羽化殻と,羽化不全の♀個体.
 下:クロイトトンボの♀.

最初は定点観察の池です.ここは二つの池が隣り合っているのですが,上の池は,まったくトンボの姿はありませんでした.4月5日のオツネントンボ以来トンボを見ません.そこで下の池に入りました.ここでは写真の通り,トラフトンボとクロイトトンボが羽化をしていました.トラフトンボは,ちょうど静止期にあるものがいて,倒垂型の静止期の写真が意外となかったので,ラッキーでした.

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▲トラフトンボの倒垂型羽化個体♀.腹部を抜くあたりの状態.

まだヨツボシトンボなどは出ていないようでした.


次に,加古川市の池に出かけました.ここではフタスジサナエが羽化を始めていました.

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▲上:二つ目の池.この対岸の水際で羽化をしていた.
 2段目:足もとから飛び立ったフタスジサナエ羽化個体♀.
 3段目:1頭見つけると,次々に目に入るものである.
 下:水際で羽化最中のフタスジサナエ♀.

最初は羽化している個体が目に入らなかったのですが,1頭見つけると,次々に見つかるから不思議です.最初は,上の写真上の,水際から飛び立った個体があったので,羽化し始めていることが分かりました.その後,上の写真下の水際で羽化している個体を見つけ,やっと写真らしい写真が撮れました.そして,そのすぐ横で,直立静止期にある,個体を見つけました.

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▲直立静止期から,腹部を抜くあたりの状態.フタスジサナエ.

はからずも,倒垂型と直立型の羽化を観察でき,どちらも腹部を抜く瞬間を見ることができました.羽化はいつ見ても感動的ですが,腹部を抜く瞬間というのが,その中でも一番インパクトがあります.その瞬間に,完全に幼虫から成虫へと独立するのですから.


さて,上のフタスジサナエの羽化を観察していると,雨がぱらついてきました.次の池に行こうとすると雷まで鳴る始末.もう一つだけ池をのぞいて帰ることにしました.そこでは,アジアイトトンボが1♂1♀見られただけでした.

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▲アジアイトトンボの♀と三つ目の池.

ということで午後になる前に帰宅しました.ただ帰宅したらかーっと日が差し,なんとも嫌みな天気で,すっきりしない今日の幕おろしでした.