トンボ歳時記
No.168. クロサナエを探しに行ったが... 2010.6.12.

今日は兵庫県の北部へ,クロサナエ・ヒメクロサナエをターゲットに,出かけてきました.

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▲寄り道の観察地.

朝早く出て,現地でできるだけの時間を確保するようにしました.せっかく北へ出かけるので,往きにいつも行く湿地をのぞいてみました.アオヤンマを期待していましたが,2頭だけ飛んでいて,とても写真にはなりませんでした.

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▲遠くを飛ぶアオヤンマのオス.

それに対して,ハラビロトンボが山のようにたくさんいて,これまた,図鑑にするなら1回で片付くほど,成熟段階の異なるものが混在していました.

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▲ハラビロトンボ.上・中左:オス,中右・下:メス.

さて,今日のねらいはここではありませんので,早々に切り上げ,クロサナエ探索へと出かけました.


谷筋に入っていくと,川はとてもきれいで,岩が苔むしているほど,流れが安定している川でした.ミヤマカワトンボがとてもたくさんいました.あと,アサヒナカワトンボも結構いて,ニホンカワトンボも1頭だけ見ました.しかしながら,サナエトンボ類の姿が全くなく,かろうじてヤマサナエがいただけでした.クロサナエどころか,ダビドサナエすらいません.がっかりです.

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▲川の写真と,そこにいたトンボたち.
 上から,調査地の写真,ミヤマカワトンボ,
 アサヒナカワトンボとニホンカワトンボ,ヤマサナエ.

ところが,こんなものですねぇ,本当に.道に水が湧き出して流れている「岩盤」があって,そこにムカシヤンマが止まっていました.本当に会えるときには,よく会えるものです.おまけに,メスまで入ってきて産卵する始末.ただ,場所があまり気に入らないのか,すぐに飛び去ってしまいました.きっと近くにいいところがあるのでしょうねぇ.

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▲ムカシヤンマ.
 少し時間をかけて観察すると,オスはいろいろなところに止まる.
 メスは落ち着いて産卵することなく,飛び去った.

別の谷にも入ってみましたが,大同小異でした.もっともムカシヤンマはいませんでしたけれども.今日はムカシヤンマと少しつきあいが長すぎたため,これで引き上げました.