トンボ歳時記
No.114. ヒメアカネの観察. 2009.10.4.

今日は予報通り朝から快晴.気温もどんどん上がり,風もなく,天候は申し分ありませんでした.予定通り,今日は,神戸市内のヒメアカネの産地へ出かけてきました.

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▲市内のヒメアカネの産地.草丈が伸びて,湿地の遷移が進んでいる.

湿地の遷移が進んでいるようで,草丈が伸び,産卵に適した,いや産卵を撮影するのに適した場所があまりないように感じました.ここにヒメアカネがいなければすぐに次へ行こうと考えていたので,9:00過ぎに現地に入りました.

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▲林縁の日だまりで休むオスと,そろそろ動き始めたメス.

湿地内をいろいろと探すと,オスもメスもその姿を見ることができました.オスはまだ林縁で休んでいるような感じでしたが,メスは湿地の中程に出てきており,活動を始めようとしている感じでした.そのうちオスも次々と水のあるところへと出てきて,縄張り行動を見せ始めました.到着が早かったので,かなり待って,やっと,メスが進入しオスが見つけて交尾になる姿を確認できました.

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▲ヒメアカネの交尾.2組のペアの写真である.交尾時間は数分程度.

交尾は2ペア観察できましたが,いずれも,交尾後すぐにオスがメスを放しました(逆かもしれませんが).そして,メスがそのまま静止し,オスが少しメスの前方に静止しました.産卵を始めるのを待っているのでしょうか.

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▲交尾直後タンデムは解消し,オスがメスの前方に静止した.

3,4分したころ,メスがさっと飛び立ち,すぐ直下の草むらの間で産卵を始めました.最初に懸念したとおり,写真撮影には最悪の産卵場所です.何とか写真は撮りました.でもまあ,これがヒメアカネの生態ですから,忠実に記録しておくことも大切と自分を納得させました.

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▲草に覆われた湿地部分で単独打泥産卵をするメス.

もう1ペアはすごく開けたところで交尾をしたので,産卵も開けたところですることを期待しましたが,どういうわけか,交尾後メスは飛び去ってしまいました.12:00過ぎまで現地にいて,結局2組のペアを観察したにとどまりました.