トンボ歳時記
No.100. 兵庫県北部へ. 2009.8.23.

今日は,ナゴヤサナエが産卵に来ているという情報を得て,豊岡市まで出かけてきました.家を出るときは快晴だったのに,西脇を過ぎたあたりから曇り始め,現地についてもどんよりとした曇り空でした.現地入りは8:30.からっとしていてあまり気温が高くない曇りの状態,ナゴヤサナエは全く飛んでいません.40分くらい粘りましたが,結局オスが1頭飛んだだけでした.さらに,雨がぽつぽつ....,雲の動きも遅いので,夕刻に晴れることを期待して,いったん現地を離れることにしました.

ファイル 99-1.jpg
▲上左:到着したときの現地の状況,上右:1頭飛んだナゴヤサナエのオス.
 下2枚:午後に再びやってきたときに見たコウノトリ.

現地へは,15:10頃に再び戻ってきました.晴れてはいたものの風が強く,ナゴヤサナエはオスが1頭飛んだだけ.しばらく待ちましたが,日が陰ってきて写真が撮りづらくなってきたので,今日はナゴヤサナエはあきらめました.


さて,朝ナゴヤサナエの生息地を離れた後,村岡町の方へオオルリボシヤンマやエゾトンボ類を見に行くことにしました.最初に行ったのは村岡町の施設内にある池です.この池は,完全コンクリート張りです.でも,高原には池が少ないので,こんな所でも次々にトンボがやってきます.

ファイル 99-2.jpg
▲全面コンクリート張りの池.オオルリボシヤンマのメスとオニヤンマ.

池の横ではオリエンテーリングが行われていて,何となく気恥ずかしく,写真が撮りづらかったですが,まあ,施設はいろいろな人がいろいろな目的で利用するということで,子どもたちや女子大生ボランティアの見ている前で,ぱちぱちシャッターを切りました.彼らは,わたしのやっていることを理解して,あまり気にかけていないように振る舞ってくれましたが,目の前を飛ぶオニヤンマやオオルリボシヤンマに全く関心を示さないのには少し寂しい気がしました.もう,トンボなどは子どもの関心対象ではないのですかねぇ...

ところでトンボの方ですが,写真左手前の細い水路の上を,オニヤンマが行き来しています.ここもコンクリート三面張りなのですが,メスまで産卵しようかとやってきました.池本体内では,オオルリボシヤンマのオスが数頭パトロールをしています.時々激しいにらみ合いと追いかけ合いが行われています.メスが入ってくると,複数のオスが,シンクロナイズドスイミングよろしく,その後を同じように上下動左右動しながら追いかけます.メスも産卵したそうなのですが,いかんせん,産卵基質がありません.

ファイル 99-3.jpg
▲メスを追いかけて池の外に出,芝生上でホバリングするオオルリボシヤンマ.

以前の淡路島の公的施設もそうでしたが,こういうところは,楽に写真が撮れるのがいいところです.


さて,次に行ったところは,少し東の方にある植物園です.この中には湿原や池があり,エゾトンボ類が期待できます.

ファイル 99-4.jpg
▲植物園内の池.池の畔にネキトンボが止まっていた.

池では,オオルリボシヤンマ,タカネトンボ(だと思う),シオカラトンボ,ウスバキトンボ,ネキトンボ,オニヤンマなどが見られました.運良く,オオルリボシヤンマのオスがメスを追いかけ,すぐ前でホバリングを始めました.

ファイル 99-5.jpg
▲メスを追いかけているオオルリボシヤンマのオス.

園内を歩き,湿地や,別の池なども見て回りました.池にはトンボがいましたが,湿地では,草の上をタカネトンボが摂食しているだけでした.あとはアキアカネが1頭だけ.そういえば,アキアカネ,兵庫県北部のこのような山間地ならいるかと思い,その後探してみましたが,結局これ1頭だけでした.こちらもアキアカネが減っているのでしょうか? また調べる必要があるかもしれませんね.

最後にナゴヤサナエの方に戻りましたが,上に書いたとおりの状態でした.