トンボ観察記
No.526. ネアカヨシヤンマの産卵観察.2016.7.29.

ネアカヨシヤンマは,かなり個体数の年変動が激しいトンボではないかと思います.ほとんど見られない年があるかと思えば,たくさんが集まって飛んでいたり,産卵していたりする年もあります.今年は,雨が多かったせいか,いつもより少しだけ数が多いかなという予想です.今日はそんなネアカヨシヤンマと接近遭遇することができました.

0729-001▲朽木に産卵するメス.今日はこのパターンが一番多かった.

産卵に入ってきたのは13時30分頃でした.さあっと飛び込んできたかと思うと,産卵基質である朽木の上でホバリング,そして着地,という感じで,すぐに産卵を始めました.

0729-002▲朽木に産卵するメス.木の裏側に腹部を回して産卵する.

はじめのうちは,1頭だけで産卵しているせいか,非常に敏感で,約3m近づくと,さっと産卵を止め,別の場所へと移動します.追いかけていくとさらに逃げ,なかなか近くによることができませんでした.

0729-003▲土に産卵するメス.

しかし根気よく,近づいてはビデオを回し,しているうちに,とうとう多少のことでは逃げなくなりました.そのうち,脅かして飛び立ったら,むしろ私の足元へ飛んできて,産卵を始めるといった具合に,私の動きには反応しますが,私自身には危険を感じていないみたいでした.

0729-004▲湿土に産卵するメス.

多分影が動くのでしょうね,そういった動きにはよく反応します.何かが動いたと感じると,細かく震わせていた翅の動きをびたっと止め,すぐに飛び立つことができるように準備します.

0729-005▲湿土に産卵するメス.

産卵は実に15時45分くらいまで続き,なんと,2時間以上も産卵していたことになります.もっとも,途中,私がしつこく追い回すので,一時姿を消した時はありましたが… でも13時49分には戻ってきていました.(私も一時姿を消した(笑)).今日はビデオを中心に採りました.写真は,十分にビデオを回した後の最後の方に撮ったものです.ではビデオの方も紹介していきましょう.