新 トンボ歳時記
No.502. オナガサナエの観察その2.2015.8.9.

今日も懲りずに,オナガサナエの観察(ビデオ撮影)に出かけました.この観察地では,以前もそうでしたが,12:00前後に産卵にやってきます.昨日の観察でもそうでした.しかし,書籍の記述によると,朝夕の薄暗いときに産卵によくやってくると書かれていますし,友人もそのように言っていました.この観察地は自宅から2時間ほどかかるところなので,朝早くに着くためには,明け方相当早く自宅を出なければなりません.でも観察に熱が入ってくるとこういうこともいとわなくなります.今朝は4:10に自宅を出ました.現地に着いたのは6:00.川に入ると,カメラの準備をする間もなく,メスが産卵をしていました.まだ太陽は山陰に隠れて川面に日は射していません.「もっと早く来ないといけないのかなぁ,今度熱帯夜で寝苦しいときにでも来るか」などとつぶやきながら,カメラの準備をして次を待ちました.ほどなく2頭目のメスが産卵に入ってきました.6:25頃です.少し離れたところで産卵をしていましたので,ビデオカメラを担いで移動,そして撮影を始めました.この個体は4分30秒ほど産卵を続けました.おかげでゆっくりと撮影ができました.ただ,まだ光が十分ではなく,ビデオではいい色が出ません.写真ならストロボという手がありますが,ビデオでは,やはりライトをつけないとダメかなぁ.

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その後,9:30の観察終了までに,のべ10頭のメスが産卵に入りました.3時間半で10頭は十分な個体数です.ただ,昨日コオニヤンマで書いたように,産卵を途中で中断した(された)個体と同じ個体が,すぐあとで同じ場所に再度入ったような感じのものがありました.コオニヤンマに追われたり,近づく私に神経を使ったりした個体たちです.さらに,8時を過ぎて日が射して暑くなってくるとどうも産卵時間が短くなる傾向があって,いったん産卵を中断してまたやってくるという感じに見えるものもありました.体温の上がりすぎを気にしているのでしょうか? 最後の方になると私もこの状況を逆手にとって,短時間で産卵を終えた個体の入った場所でビデオカメラを構えて待つ作戦に出ましたところ,これが見事に的中したということもありました.ビデオの最後の「9頭目」のキャプションのある個体(下の写真)がそれです.最初からピントが合っています.ということで,ビデオを紹介しておきます.




 まだビデオカメラに慣れていないせいか,動くトンボにピントを合わせることが難しいです.オナガサナエは停止飛翔をしてくれるので,録りやすい対象なのですけどね.まあ,産卵が続くだけのビデオです.「2頭目」のメスは停止飛翔が上手で,ほとんど体がぶれていませんが,「3頭目」のメスは,体が前後に揺れていますね.少し若く見える個体で,まだ飛び方が下手なのかもしれません.こうやって見てみると,スチル写真では見えないトンボの個性が見えてきます.

ところで,コオニヤンマの方ですが,今日も3頭のメスが産卵に入りました.こちらも早朝に産卵にやってくるようですね.まず1頭目は6:00です.カメラの準備ができるかどうかというときに入ってきました.

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次は6:09,立て続けに入ってきたという感じです.コオニヤンマは停止飛翔産卵をするのをよく見ていますが,昨日,今日と,間欠打水産卵をしていました.むしろこちらの方が普通なのでしょうか.

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3回目に入ってきた産卵をビデオにとることができましたので,こちらはビデオで紹介しておきましょう.




 コオニヤンマは草陰や石の陰など,少し隠れることができるような場所で産卵することが多いようです.コオニヤンマのオスは獰猛ですから,それを知っているのでしょうかね.時々打水するのを見てください.なお,まだ時刻は6:40ころで,草陰は暗く,やはり発色がよくありません.

ということで,今度はお盆休みにでも夕方を攻めてみますか...