新 トンボ歳時記
No.469. ヤブヤンマはまだ来るか? 2014.7.29.

夏休みをとったものの,この季節は意外とトンボに焦点を絞りにくい時期なのです.今が旬なのは,ヤブヤンマ,ネアカヨシヤンマ,マルタンヤンマなどの黄昏飛翔ヤンマや,オジロサナエなどのサナエトンボ,そしてトンボ科(最普通種)のいくつかの種類です.ということで,ヤブヤンマ,そして今年はネアカヨシヤンマが出るかという可能性を見に,一昨日と同じところへ行きました.

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到着早々,ヤブヤンマのオスが入り,木の枝にぶら下がりました.しかしほどなく飛び去ってしまいました.その後も2,3度様子を見に入りましたが,結局はすぐに姿を消してしまいました.今日は一昨日と違って,水たまりの水がほとんどなくなっていて,どうやらこれがヤブヤンマの好みに合わないようです.一方でシオカラトンボがたくさん集まっていました.

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一昨日はオオシオカラトンボの天下という感じでしたが,今日はシオカラトンボの天下.水の量の違いが微妙な環境選択の違いとなって,集まるトンボを変化させたように思えました.そこで,一昨日は公開しなかったオオシオカラトンボのビデオと,今日のシオカラトンボのビデオを比較のために編集して公開することにしました.




 ヤブヤンマの訪れる水たまりに,シオカラトンボやオオシオカラトンボが集まっていました.7月27日,まだ水たまりにそれなりに水があるときにはオオシオカラトンボが優勢で,しきりに産卵やオス同士の闘争が行われていました.しかし2日後に同じ場所を訪れてみると,わずかに水が残っていたものの,ほとんどは湿っている泥状態になっていました.すると,この日はシオカラトンボが優勢となり,しきりに繁殖活動を行っていました.どちらも似たような環境に産卵にやってきますが,オオシオカラトンボは水面を必要としているようで,シオカラトンボは水面があっても産卵しますが,水面がないところでも産卵が可能であるように見えました.シオカラトンボのほうが産卵環境の選択幅が広いように思われます.
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