トンボ歳時記
No.200. 兵庫県北部の調査 Part.1. 2010.9.5.

今日は兵庫県北部にトンボの状況を見に行ってきました.まずはナゴヤサナエの生息する川へ行きました.

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▲上:川の状態.2段目:セスジイトトンボ(左)とアオモンイトトンボ(右).
 3段目:コフキトンボ,下左:ウスバキトンボ,下右:ナゴヤサナエ.

朝8:00ころ川に入り,10:00過ぎまで観察をしました.川は水が少なく,川の中央を歩いてどんどん進むことができる状態です.水も流れがほとんど感じられないくらい緩やかで,止水性のトンボがたくさん集まっていました.シオカラトンボ,ウスバキトンボ,アオモンイトトンボ,ギンヤンマなどです.ウスバキトンボなどは連結打水産卵までやっていました(写真).流水性のトンボは,セスジイトトンボ,ハグロトンボ,そしてナゴヤサナエでした.ナゴヤサナエは2頭ほどオスが水面を飛んでいましたが,近寄る気配もなく,メスもそれらしいのが2回飛んだだけで,あまり動きが感じられませんでした.


そこで,ヤンマを見に行くことにしました.まずはルリボシヤンマを求めて高地にある湿原へ出かけました.

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▲2番目の観察地.兵庫県北部にある湿原.

湿原は完全に水が枯れており,草原状態になっていました.ミヤマカラスアゲハがたくさん飛んでいて,これを今日のゲストとしました.大きな緑色や青色のアゲハが目の前を物怖じせず飛んでいると,無視できずカメラを向けた次第です.

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▲ミヤマカラスアゲハ.オス・メス混合状態.

あとは,ノシメトンボ,アキアカネなどの避暑組がいました.ノシメトンボも結構高いところまで移動してきているんですね.アキアカネは兵庫県南部の減少が嘘のように,たくさん群れていました.これでこそ夏の高山です.

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▲アカネ属の2種.上:ノシメトンボ,下3枚:アキアカネ.

さて,ここへは,ルリボシヤンマを当てにしてきたので,それを撮らないと話になりません.水がないので産卵はアウトでしたが,幸いオスが摂食飛翔をしていました.逆光になる位置だったのが残念です.

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▲ルリボシヤンマの摂食飛翔(だと思われる).

おそらく連日の晴天と高温で湿地が乾燥したのでしょう.こうやって湿地性種が打撃を受けていくのでしょうね.