トンボ歳時記
No.181. 続ベニイトトンボの探索. 2010.7.31.

今日は朝から曇りがちで,夏のトンボが絵にならない天候でした.そこで暗いところが好きなベニイトトンボの観察に今日も出かけることにしました.ただし今日は,兵庫県下にベニイトトンボの産地が別にあるとの情報を得ていたので,それを確かめることにしました.朝,9:00過ぎに現地に入りましたが,昨夜の雨の名残があって,涼しいのはいいのですが草がまだぬれていました.

ファイル 181-1.jpg
▲今日の観察池.
 上:ベニイトトンボは薄暗い林が隣接しているところが好きである.
 下左:その林床にハグロトンボが潜り込んでいた.
 下右:今日のゲストはクチベニマイマイです.きれいなカタツムリだ.

ベニイトトンボは,休息するとき,こういった林床の草に止まったり,樹木の少し高い枝にとまったりしています.まずは林床の草原に入り込みますと,オスが飛び出しました.ベニイトトンボは簡単に発見できました.

ファイル 181-2.jpg
▲林床の葉の上や樹木の陰に止まるベニイトトンボ.
 上:メスが池の畔の樹木の裏側に止まっていた.
 下3枚:林床のササの葉などに止まるオスたち.

オスはたくさんいたのですが,メスの方もと,少し探しましたら,見つかりました.池畔の木の枝に止まっていました.後方に池が見えています.このメスはすぐに水面の方に飛んでいきました.産卵する気が十分なのですね.

ファイル 181-3.jpg
▲タンデムになっているベニイトトンボたち.

しばらくすると,タンデムになっているペアが見つかり始めました.交尾や「産卵しそう」なペアはいるのですが,産卵そのものを見ることが結局できませんでした.水の中を近づくと水面が波立ち,敏感にそれを感じてすぐに葉の上などに飛び上がるのです.産卵を始めないかと,11:30ころまで粘りましたが,こちらが根負けしました.タンデムで飛び回るばかりです.

ファイル 181-4.jpg
▲モノサシトンボ.産卵など.

さて,ベニイトトンボとともによく目に付いたのがモノサシトンボでした.こちらはベニイトトンボほど敏感ではなく,水面が波立つといったん産卵はやめるものの,しばらくするとまた産卵を再開します.おかげで,何度もシャッターを切ることができました.今年は夏の普通種をテーマにしていますので,いろいろなところから写真記録を撮っておきました.

ファイル 181-5.jpg
▲今日の外道たち.
 上:キイトトンボ,2段目:ハッチョウトンボ.
 3段目左:オオシオカラトンボ,同右:ハラビロトンボ.
 下:ミヤマアカネ.

今日の外道たちは色鮮やか.黄色に赤に青に...,ミヤマアカネが1頭飛んできました.今年初めての赤トンボかな?−いや,オオキトンボの羽化を見ましたね.というところで空は曇ってきて,なんで私が休みになると曇るのだ,と空を恨みながら帰宅しました.まあ,これで,兵庫県下には少なくとも2ヶ所のベニイトトンボの生息地があることが確かめられました.成果はあったというところです.