トンボ歳時記
No.177. ハグロトンボ復活の確認. 2010.7.24.

今日は家から5分のところにある川へ,ハグロトンボを見に行きました.この川は以前ハグロトンボがたくさんいた川です.数年前浚渫によって川底が完全に砂利だけになってしまいました.そのとき,小さな支流に難を逃れた個体群の一部が,本流の復活とともに数を増やしているはずだということで,今日は確かめに出かけました.

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▲金敷雲(入道雲)が立ち上る空と,観察地の川.

さて,一日で一番暑い14:00に出かけました.上から川をのぞき込むと何も飛んでいません.いないかと思いつつ,ツルヨシの中へ分け入っていきますと,ツルヨシの中からたくさんのハグロトンボが飛び出しました.

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▲日陰で休んでいたオスと,驚いて日向へ飛び出したオスたち.

そう,あまりにも暑いので,彼らもツルヨシの日陰に潜り込んでいたのでした.

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▲日陰に潜り込んでいるメスと,やはり驚いて飛びだしたメスたち.

私は,オスの金緑色の胴体とやや青みがかった翅よりは,メスの緑の胸と茶色の腹部と翅の渋い感じが好きです.特に夏の強い日射しを受けたときの色彩は,地味ですが,上品な美しさがあります(上の一番下の写真).

残念ながら産卵活動は見られませんでした.この暑さじゃ仕方ありませんね.何しろ神戸はこの日35.1℃だったらしいですから,日向のこの場所はもっと気温が高かったでしょうね.

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▲ウスバキトンボも暑くて止まってしまった.

ハグロトンボ以外には,ウスバキトンボ,コシアキトンボ,シオカラトンボが川の上を飛んでいました.

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▲川の横の道路に止まっていたシオカラトンボの老熟メス.

夏はこういった普通種が多く,今まであまり足が向きませんでしたが,今年はかんかん照りの日向で頑張るこういった普通種を取り上げていきたいと思っています.