トンボ歳時記
No.156. 三田市の川で. 2010.5.16-(3).

さて,今日最後は三田市の川です.今年は季節の推移が例年と違っていて,川に何がいるかちょっと見当がつかない状態です.特にねらいを決めず状況調査ということで入りました.

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▲川の観察地点.堰の部分にたくさんのニホンカワトンボが集まっていた.

現地で見たのは多数のニホンカワトンボでした.あとはシオヤトンボが1頭だけ.ニホンカワトンボの産卵が観察できるかと思いましたが,これが意外と難しい.メスはすぐに気づいて飛び立つ始末.カワトンボといって馬鹿にしてはいけませんね.結局写真は撮れず,オスの攻撃行動と,交尾を撮っただけでした.

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▲ニホンカワトンボオスのパトロール飛翔と攻撃行動.

オスは2,3頭が向かい合って威嚇行動を示したり,威嚇し合いながら上空へ舞い上がっていったりと,なかなか活発な活動を展開していました.

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▲交尾など.上:橙色翅メスとの交尾.中左:同じペアの移精行動.
 下:透明翅メスとの交尾.中右:交尾したのと同じメス個体.

13:00過ぎ頃に連続して交尾が見られました.この川には透明翅のメスもいるのですが,今日見た個体は中間的なもので,翅脈の一部が橙色に光っており,写真の通り翅全体もうすく赤みを帯びています.

今日はこの後,コサナエ属の産卵もと考えていましたが,いささか疲れてきたのでここまでとしました.今年はフタスジサナエやオグマサナエの産卵を逃すかもしれないなぁ.