トンボ歳時記
No.099. ギンヤンマの黄昏飛翔. 2009.8.22.

昨日仕事帰りに通った道の横にある田んぼの上を,何頭かのギンヤンマが黄昏の摂食飛翔をしているのを見ました.そこで,今日夕方そこへ出かけてみました.ここは,家から車で2分の所です.現地についたのが18:10頃,すでに1,2頭のギンヤンマが飛んでいました.

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▲現地の風景.もうすっかり黄昏れている.

昨日見たときには,たくさんのツバメが飛んでいました.今日も昨日ほどではありませんが,上空をツバメが飛んでいます.ツバメは昆虫食ですから,これが飛ぶと,トンボの餌もたくさんいると考えられます.田んぼには稲が実り,そのすぐ上をユスリカでしょうか,たくさん群れ飛んでいます.どうやらギンヤンマはそれをねらっているようです.

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▲左:黒い点はユスリカの群れ,その向こうをギンヤンマが飛ぶ.
 右上:マルタンヤンマを追い上げるギンヤンマ.
 右下:ギンヤンマどうしの追いかけ合い.

見ていると1頭だけ飛び方の違うトンボがいました.ギンヤンマは餌を追いかけるのですぐに方向を変え,踊るようにエサをとっていますが,このトンボは一直線状に飛びます.やはりマルタンヤンマでした.1頭のギンヤンマがそれを追い上げるような行動を示しました.

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▲捕らえた餌を食べているギンヤンマ.

ギンヤンマは普通飛ぶときには肢を引っ込めていますが,餌を捕まえると(多分ですが),肢を伸ばして,餌を食べるような仕草をします.

時間が経って暗くなってくると,数がだんだん増えてきたようです.そして田んぼのすぐ上にユスリカが舞っているので,ギンヤンマの飛ぶ高さが非常に低くなっています.網で採るならこれほど簡単な状態はないでしょうね.

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▲左:餌を食べるギンヤンマ,右:高度低く飛ぶギンヤンマ.

全部でギンヤンマは20頭はいたでしょうか.飛ぶ範囲が非常に広いので,すべてを一度に見ることができませんが,きっとそれくらいはいたことと思います.神戸市内では,最近は本当に黄昏飛翔するギンヤンマの群れを見ることができなくなりました.今回,数はそれほどではありませんでしたが,目の前をユスリカを追いかけて踊るように飛び回るギンヤンマの群れを,久しぶりに堪能しました.

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▲夕焼けをバックにして飛ぶギンヤンマ.

家から2分の所にこんな場所がまだあるということ,足下が大切です,本当に......