トンボ歳時記
No.090. 六甲山のトンボ調査(2). 2009.8.3.

最後にやってきたのは穂高湖です.あまり期待はしませんでしたが,ネキトンボが3頭ほど止まっていました.

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▲ネキトンボが止まっている.背景は穂高湖.

ネキトンボもリスアカネと同様早くから繁殖活動をする赤トンボで,こちらも7月の中下旬から産卵を見ることができます.と,思っていると,連結したペアが池に入りました.穂高湖は沈水植物や浮葉植物がほとんどないので,ネキトンボは産卵場所を探し回るように,池の周囲をしばらく飛び回っていました.

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▲連結打水産卵を行うペア.水面の波紋は打水してできたもの.

やがて,欄干のすぐそばで産卵をはじめ,まあ,写真撮影にぴったりの場所でした.が,結構すばしこく,あまりいい写真にはなりませんでした.例によって,産卵の最後の方では連結を解き,オスが警護しながらの単独打水産卵に変わりました.

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▲連結を解いた後,単独で産卵を始めたメス.

これ以外には,ギンヤンマ,モノサシトンボ,クロイトトンボ,ウスバキトンボ,ショウジョウトンボがいました.

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▲ネキトンボのオス.

帰りに丹生山に上がってみましたが,ここもオオシオカラトンボだけ.まったくエゾトンボの姿を見ることはありませんでした.本当にトンボの数が少なく感じられました.環境的にはあまり変化していないと思われる六甲山や丹生山でもこの状態です.もちろん,昔はあちこちにいたアキアカネなど1頭もいません.神戸のトンボ環境もいよいよ末期的症状が出始めているのかな,という印象でした.