兵庫県の幼虫ガイド
H065. オオヤマトンボ Epophthalmia elegans elegans
オオヤマトンボ終齢幼虫
写真1.オオヤマトンボの小さな幼虫.終齢幼虫(しゅうれいようちゅう)(写真2)の全長は38mm前後.2011.6.11.
<特ちょう>
 あしがとても長く,体が太く,とても大きな幼虫です.翅芽(しが)は左右に開かず,まっすぐ後ろにのびています.触角(しょっかく)は糸のように細いです,腹部の横のとげ(側棘:そっきょく)は腹部の第8,9節にあります.背中のとげ(背棘:はいきょく)は,腹部の第3−9節にあります.なにより一番の特ちょうは,下唇(かしん)にあります.写真3のように,先に,とがった太くて長いとげがついています.側刺毛(そくしもう)腮刺毛(さいしもう)はありません.

オオヤマトンボのしゅうれいようちゅう オオヤマトンボのかしん
写真2.オオヤマトンボの終齢幼虫とその特ちょう. 写真3.オオヤマトンボの下唇の形.右下はキイロヤマトンボのもの.


<似た幼虫との区別>
 体の色やもようが,キイロヤマトンボと似ています.でも区別はかんたんです.下唇を引きのばしてみれば,オオヤマトンボは,写真3のように,とても特ちょう的な形をしてます.キイロヤマトンボはふつうの下唇です.


<さがす場所のヒント>
 オオヤマトンボは,池の住人です.大きな池や湖にも生活しています.一方,公園のビオトープのような小さな池でも,幼虫が見つかったりします.メスは,池の岸に沿って往ったり来たりしながら飛んで,ときどき水面を腹の先でたたいて,卵を産みつけます.幼虫は,池の底にうずくまって生活しています.池の底をこするようにしてあみを引くと採れます.終齢幼虫は,秋から冬にかけてと,梅雨のころに採れます.冬に採れる幼虫は,梅雨のころの幼虫より,ひとまわり大きいです.

オオヤマトンボの産卵場所.
写真4.池の岸に沿って飛んで,卵を産んでいます.水面をたたいたあとが,水の輪になって見えています.