兵庫県の幼虫ガイド
H098. シオヤトンボ Orthetrum japonicum
シオヤトンボ終齢幼虫
写真1.シオヤトンボ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長16−20mm.2016.4.10.
<特ちょう>
 シオヤトンボはトンボ型の幼虫です.体の表面に泥(どろ)がたくさんついていることが多いですが,洗い流すと,表面がすべすべしたやわらかい幼虫です.よく動きまわります.翅芽(しが)は左右に開かず,まっすぐ後ろにのびています.触角(しょっかく)は糸のように細くなっています.腹部の横のとげ(側棘:そっきょく)は第8,9節にあります.背中のとげ(背棘:はいきょく)は小さく,第4−7節にあります.

シオヤトンボのそっきょくとはいきょく シオヤトンボのぜんけいず
写真2.第8,9節に側棘が,第4−7節に背棘があります.
 
写真3.シオヤトンボとオオシオカラトンボ側刺毛数のちがい.


<よく似た幼虫との区別>
 オオシオカラトンボシオカラトンボともとてもよく似ています.しかし,シオカラトンボには背中のとげがありませんので,区別できます.オオシオカラトンボとの区別は難しいです.シオヤトンボの方が,体が細く小さいですが,それでは区別できません.いちばん確実な方法は,下唇(かしん)を引きのばして下唇側片(かしんそくへん)の上にある側刺毛(そくしもう)の数をかぞえることです.写真3のように,オオシオカラトンボはこの側刺毛の数がふつう7本(ときどき8本)ありますが,シオヤトンボはふつう5本(ときどき6本)しかありません.


<さがす場所のヒント>
 シオヤトンボは池や湿地(しっち)の住人です.ふつうの池でも,池のまわりに浅いところが広がっていれば,いることがあります.また,川の上流の浅い流れや,水がわきだして,じゅくじゅくしているようなところにも,住んでいることがあります.シオヤトンボの成虫は春にだけ現れます.終齢幼虫は,秋から次の年の冬の終わりくらいの間に採れます.

シオヤトンボの産卵場所.
写真6.産卵しているメス.池のまわりに広がる浅いところで卵を産んでいます.