兵庫県の幼虫ガイド
H040. コオニヤンマ Sieboldius albardae
コオニヤンマ終齢幼虫
写真1.コオニヤンマ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長35−40mm前後.2011.4.17.
<特ちょう>
 コオニヤンマはうすっぺらい落ち葉のような形をした幼虫で,ほかにこのような形をした幼虫はいません.ですから,まちがえることはまずないでしょう.翅芽(しが)は左右に開かず,まっすぐ後ろにのびています.触角(しょっかく)はうちわのような形をしています.体全体が固いです.腹部の横のとげ(側棘:そっきょく)は第2−9節にありますが,とげというより「でっぱり」のような感じです.はっきりとしたものは第7,8節に見られます.背中のとげ(背棘:はいきょく)は腹部の第2−9節にありますが,はっきりとしたものは第5,6節に見られます.しかし,背棘側棘を気にしなくても,区別はかんたんです.

コオニヤンマのそっきょくとはいきょく コオニヤンマの触角と背中のはん点
写真2.第7,8節に側棘が,5,6節に背棘が,はっきりと見られます. 写真3.触角はうちわのような形をしています.


<さがす場所のヒント>
 コオニヤンマは川の住人です.明るい場所を流れる川に住んでいます.川の底には小石や目のあらい砂がたまっていて浅く,ややゆっくりと流れているようなところが好きです.岸辺に植物がしげっているところに多く集まっています.幼虫は,植物の根元や,底の小石や落ち葉の間にもぐりこんで生活しています.成虫のメスは,そういった川にやってきて,石や草のかげにかくれるようにして飛び,ときどき腹の先で水面をたたいて,卵を水の中に産みつけます(写真4).

コオニヤンマの産卵場所.
写真4.産卵にやって来たメス.底に小石や砂がたまっているのが見えます.こういったところで水面に直接卵を産みつけます.