神戸のトンボたち
K027. アオヤンマ Aeschnophlebia longistigma(記録地公表種)
アオヤンマ♀の産卵行動.2006.7.26. 神戸市西区
オスの静止.1990.6.27.,神戸市垂水区名谷町丸尾(貝ヶ谷池)./神戸市RDB:
 アオヤンマは,ヨシやガマが密に茂った池に生息しています.出現期間は5月から8月ころまでです.
 垂水区塩屋台の塩屋大池での観察によりますと,朝8時ころには茂ったヨシの上をたくさんの個体が飛翔し,摂食活動を行います.次第にオスはヨシの間に潜り込むようになり,ヨシの間をぬうように飛んでメスを探します.メスを見つけるとつかまえて,周辺の木の枝などに止まって交尾します.メスは単独で,ヨシの茎などの中に産卵します.産卵は水面より高い位置になされるのが普通です.
 アオヤンマは,1990年代の前半までは神戸市内でも,須磨区,垂水区,西区,北区などに生息しているところがかなりありましたが,後半になってその生息地から次々に姿を消していきました.今では神戸市内では確実に見ることのできる池はほとんどありません.最近東灘区の方で見たという情報を耳にしたことがありますが,神戸市内からは姿を消す可能性が高いヤンマです.兵庫県下全体でも次々と姿を消しており,見るのが非常に難しくなっています.
標本で見る消えたトンボたち

かつての生息地貝ヶ谷池の現況:水生植物は全くなくなっている.

 神戸市内で絶滅状態と思われる本種について,皆さんの再発見を期待し,過去の生息地名を公表しています.もし見つけたら,トップページ下部に掲載しているメールでお知らせいただけると幸いです.