トップ写真の解説
	 夏の昼下り.暑さをものともせず,炎天下で産卵をしているオオイトトンボのペアです.太陽はほぼ真上から照りつけ,トンボも影が濃くコントラストが強く出ています.オオイトトンボは,一時減少傾向が感じられたましたが,最近は結構見ることができています.オスが立ち上がる産卵形式は,両者にピントを合わせるのが大変.水面ぎりぎりの位置で撮っています.
    
    連結植物組織内産卵.2016.7.31.
	
成虫
	 神戸市周辺ではふつうは5月中下旬から成虫が現れます.春一番ではなく少し遅れて羽化が始まり,秋口までその姿が見られます.青森県では春に産卵された同一年齢群の中の一部が一年二化する(Naraoka, 1987)ようなので,兵庫県ではかなりの割合,あるいはすべてが二化している可能性はあります.わかりにくいですが,写真の個体は小さいのです.一般に二化目の秋口に現れる個体は小さいことが経験的に知られています.
	
    夏に出るタイプのオス.2011.8.10.
	
	
幼虫
	 オオイトトンボの生息地では,早春に行けば幼虫は比較的簡単に採れます.クロイトトンボによく似ていますが,尾鰓がやや細長く,中央分節がかなりはっきりとしています.しかし同じクロイトトンボ属 Paracercion の他種とはやはり判別は困難です.幼虫で越冬しています.
    スタジオ写真.2010.4.17.
  

