No. 1042. ベニイトトンボがまだ頑張っている.2025.9.12.

今日は曇で涼しい風が吹いていました,といっても気温は31℃.連日35℃が続くと,31℃が涼しく感じるのが不思議な気持ちです.さて,今日はあまり当てもなく,近くの公園へ散歩に出かけました.目標は5,000歩以上歩く.トンボより歩行運動がメインの散歩です.

さて,現地に着くと,シオカラトンボ,ギンヤンマ,ハグロトンボ,ショウジョウトンボ,コシアキトンボ,チョウトンボ,クロイトトンボなど,まだ夏のトンボが飛んでいました.ギンヤンマは今頃が盛りですが,他は数が減っていました.


▲チョウトンボが産卵をしていた.▲


▲クロイトトンボの産卵.非常に見にくい背景である.▲

そんな中,ベニイトトンボがまだたくさん残っていました.ざっと数えただけで14頭いました.ベニイトトンボは私的には9月15日が終見日になっています.なので,このままいけば多分私的終見記録は塗り替えられるでしょう.その日付の時にまた見に来ることにしましょう.


▲オスはまだあちこちに止まっていた.▲

中には交尾をしているペアもいました.まだまだ繁殖活動をしているのですね.産卵開始を待ってもよかったのですが,これはまた終見記録を塗り替えたときにでもチャレンジすることにしました.


▲交尾をしているペア.▲

アカトンボを探しました.マユタテアカネが池に出てきていました.でも何か落ち着きがなく写真には撮れませんでした.あと多かったのはリスアカネでした.


▲リスアカネのオス.▲

ということで,この時期あまりこういったところへは来ないのですが,ベニイトトンボが結構遅くまでいることを知りました.ということで一応の成果でした.

書き終わって気づいたのですが,今日は写真のサイズがいつもと違っていました.

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No. 1041. 秋を探しに.2025.9.9.

しばらく暑さにかまけて自宅にこもっていました.今日は散歩を兼ねて近くの森林公園に秋を探しに行きました.ただ,まだ気温は35℃です.


▲ヒメアカネ.日陰でひっそりと過ごしているヒメアカネたち.▲

ここは湿地が多いので,ヒメアカネが道沿いに止まっていました.マユタテアカネはいませんでした.まだ未熟で,秋を待っている状態でした.


▲リスアカネ.リスアカネも日陰にたくさん止まっていました.産卵もしていた.▲

リスアカネは夏から産卵をするアカトンボなので,秋が来たとは言い難いです.


▲オオシオカラトンボ.産卵もしていた.▲

まだ夏の生き残りのオオシオカラトンボが活動していました.今はまだ夏が終わっていなくて,秋は始まっていない感じでした.カトリヤンマもいなかった.ハグロトンボは薄暗い道に入り込んで飛び回っていました.もう少し待つしかないですね.

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No. 1040. ヤブヤンマの観察.2025.8.16.

しばらくは暑さに負けて自宅にこもっていました.でもこの暑い中トンボたちは頑張っているのに,観察者がサボっていてはいけないと思い,今日はヤブヤンマを見に行くことにしました.以前はヤブヤンマというと兵庫北部まで出かけていましたが,いつもの観察地は多分干上がったままなのでやめにし,近くの,ときどき産卵にやってくるところに行くことにしました.ヤブヤンマは一番暑い正午から昼下がりに産卵に来るので,35℃を覚悟して出かけました.観察場所は日陰ですがそこへ着くまでが日向です.

いつもの薄暗い池に着きました.すぐにメスが入ってきました.体が黒くなっていかにも老熟はじめという感じの個体でした.しかし産卵せず,足下をくるくる飛んで,飛び去りました.あと,待ってみましたがやって来ませんでした.ちょっと迷いましたが,もう一つの小さな水たまりに行ってみることにしました.少し上の方にあるので,坂道をはぁはぁ言いながら上りました.体力の低下を感じます.ここは春にクロスジギンヤンマが産卵に来ていたところで,いちおう日陰です.ちょっと明るいのですが.

着いて池面をのぞくと,いるんですねメスが.産卵しています.池が小さいので,追うのは楽です.坂道を登ってきた甲斐がありました.


▲複眼が水色のヤブヤンマのメス.あちこち移動して産卵する.▲

ヤブヤンマのメスの複眼はいろいろな色に輝きます.白色,緑,水色,マリンブルーなどです.これは成熟が進んでそうなるのか,メスが直前に過ごしていた光環境でそうなるのか,分かりません.今までの写真を見ていると,見る時期が遅くなると緑からだんだんと青に変わっていくように見えます.今回のような綺麗な水色のメスには,あまりお目にかかれません.翅が濃い褐色に着色して,ガラス細工のようです.


▲今回は割合明るい場所で産卵していた.▲

さて,明るい池では,チョウトンボとギンヤンマが飛び回っており,本当に彼らは暑さをものともしませんね.すごいトンボです.もう,ショウジョウトンボやコシアキトンボの姿は見えません.


▲明るい池では,チョウトンボやベニイトトンボが活動している.▲

一方日林の中の薄暗いところでは,マユタテアカネがひっそりと成熟の時を待っていました.


▲林の中で過ごすマユタテアカネのオス.▲

ということで,所期の目的を達成しました.短時間の観察でしたが,これぐらいが無難ですね.

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No. 1038. ミヤマサナエを見に行った.2025.7.30.

今日は,兵庫県では非常に見るのが難しいミヤマサナエを友人の案内で県外に見に行きました.生息環境を見て,兵庫県で産地を見つける参考にしようと思っています.朝早い方がいいということで,早朝に家を出て,現地に入ったのは7:00過ぎでした.準備をして川に入りました.するとほどなく,メスが水面を飛びました.7:30ごろです.その後,11:00ぐらいまで,次々とメスが入ってきて産卵し,オスも活発に活動し,退屈しない半日を過ごすことができました.


▲石の上に止まってメスを待つミヤマサナエのオス.▲


▲ひょいと姿を現し,石の上に止まったミヤマサナエのメス.▲

メスは水面近くを水面に対して平行に飛び,少し高度を下げて間欠打水するというような産卵をします.ただメスはとても速く飛ぶので,最初はとても写真に撮れる気がしませんでした.いつもなら飛ぶトンボはマニュアルフォーカスで撮りますが,今日はオートフォーカスで撮ることにしました.写真のように飛ぶところが浅いので,こういうときは,トンボをファインダーの上半分に入れるようにして撮ると,割合成功する確率が高いのです.


▲産卵するために水面近くを高速で飛ぶミヤマサナエのメス.▲


▲あちこち飛び回るミヤマサナエの産卵メス.▲


▲間欠的に打水するミヤマサナエのメス.▲

ミヤマサナエは静止して卵塊をつくり,打水するといった動作を繰り返します.ただ静止する時間は20秒あるかないかといったところで,止まってから近づいていってはまず間に合いません.


▲川の中の石に止まって卵塊をつくる.▲


▲卵塊をつくったあと,飛び立って,再び産卵飛行を行う.▲

ここのメスはヒトを人と思っていないようです.川の中に立って撮影しているので,メスからは石と同じ物体に見えるのでしょうか.産卵途中に止まりに来て卵塊をつくります.


▲私の胴付き長靴に止まって卵塊を形成している.▲

メスが産卵に入ると,オスがそれを放っておくはずがありません.何例かメスに飛びついて水面にたたき落とし,タンデムを形成して連れ去るのを見ました.


▲オスがメスをつかみ水面に落ちたところ.上がメス下がオス.▲

オスは,最初は数が少なかったですがだんだんと多くなってきたようです.あちこちに止まってメスを待つ姿が見られるようになりました.


▲おちこちに止まるオスたち.▲

実はこのオスたちもヒトを人と思っていないところがあります.足下をくるくる回るように飛び,止まりたそうにします.実際,足や,カメラや,胴付き長靴や,背中や,帽子など,いろんなところに止まります.極めつけは,止まりそうに飛んでいるときに手のひらを差し出すとそこに止まるのです.まるでペット状態ですが,これにはもう笑うしかありませんでした.


▲差し出した手のひらに止まるオス.(撮影:友人)▲

いやはや楽しい半日でした.

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No. 1037. ギンヤンマとナツアカネ.2025.7.27.

今日は兵庫県の北部へ,いくつかのトンボの状況を調べるために出かけてきました.まずはヤブヤンマ.生息地に入ったのは正午ごろです.産地は最近の雨の少なさと高温で水が涸れていました.こうなるとヤブヤンマは絶望的です.そこで転進し,ヒヌマイトトンボの状況を見に行きました.気温は36℃.炎天下のヨシ原は地獄的でした.しかしヒヌマイトトンボは全く姿が見られませんでした.消えてなければいいのですが.

いずれにしてもトンボ調査これで2連敗.次はネアカヨシヤンマ.いつも14時ごろに産卵に来ます.しかしこれも,時期的にまだ少し早いこともあってか,3連敗.3時ごろまで待って次に行こうかと思っていたとき,1頭のヤンマのメスが入りました.地面に止まって産卵をしています.しかしネアカヨシヤンマではありません.近づいてみますと,なんとギンヤンマのメス,それもオス型のメスでした.


▲湿った地面で単独産卵するギンヤンマのオス型メス.▲

これはある意味ネアカヨシヤンマより珍しい生態的観察だといえそうです.ギンヤンマはいろいろな産卵基質を用いることが知られています.しかし水のない泥土に産卵するのは比較的稀です.次に単独産卵すること.水があってオスが飛び回っている池ではたいがい連結産卵です.


▲同じ日別の場所で見た連結産卵.単独オスがまわりを飛び回っていた.▲

この場所は水のない天水湿地.水がたまっているときにはギンヤンマもやって来ますが,草原状態のこの状態ではオスはふつう活動しませんので,メスは安心してのんびりと産卵できます.そして最後がオス型のメス.これはそれほど多くはない多型の一種です.いわば三拍子そろった感じです.

このメスの産卵場所を見ていると,ネアカヨシヤンマと同じで,イノシシの足跡に産卵することが多く,そこで産卵を始めると落ち着いて長い時間産卵を続けます.産卵は30分以上続きました.ギンヤンマのメスも,本当は単独で産卵したいというのが,本音なのでしょうね.それにしても,外気温は37℃になっていましたが,日向で産卵するギンヤンマ,頑張りますね.


▲イノシシの足跡に産卵するギンヤンマ.▲

ということで次です.先日県外へナゴヤサナエを見に行きましたが,今日は夕方に県内のナゴヤサナエを見に行く予定です.まだ時間的には早いので,ちょっと小川や池にトンボを見に行きました.そのとき,珍しいものを見ました.ナツアカネの集団避暑です.

ナツアカネが夏の間どこにいるのかについての知見は,アキアカネほどはっきりしていません.私もずいぶん昔に未熟な個体がたくさん集まっているのを見たことが一度あるだけです.


▲日陰に集団で止まるナツアカネの未熟個体.▲

これらは,羽化してまだ間がないことは確かですが,羽化直後というほどでもありません.また写真には撮れませんでしたが,腹部が赤味を帯びている個体も1頭見かけました.場所は特別なところではなく,林縁の日陰で風通しがよく,私が37℃の外気温の中で立っていても涼しく感じるようなところです.


▲ナツアカネが集まっていた林縁の笹原.この林床に止まっている.▲


▲オス・メス入り交じって,低い位置に静かに止まっている.▲

数を数えてみると,上の写真の範囲で30頭以上でした.以前にこういった集団を見たときには,後日にはすべて姿を消していましたので,この集団も一時的なものかもしれません.また来たときには探してみたいと思います.ナツアカネは,とある生息地でまとまって羽化した場合,羽化してしばらくはこのように涼しい林縁・林床に集まって過ごしたあと,分散してばらばらになって過ごすのかもしれませんね.

あとナツアカネの観察をしているときに,キイロサナエがこの日陰に飛び込んできました.7月下旬という遅い記録です.


▲キイロサナエのオス.▲

さて最後のナゴヤサナエですが,18:00まで待ちましたが,全く飛びませんでした.気温はまだ35℃.本当に老体には命がけの観察です.今日は目標とするものは全敗,外道で成果がありました.

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