トンボノート
No.810. アキアカネとナツアカネ.2021.10.5.

この土日月といい天気が続きましたが,残念ながら所用があって,フィールドへは出られませんでした.兵庫北部はこの連続晴天の最後の晴れのもよう.私がよく訪れるところはアキアカネが多いので,今日は久しぶりにアキアカネがたくさん居る雰囲気に浸ることにしました.

現地に着いたのは9:30ごろ.車の前を横切るアキアカネのタンデムがたくさん飛んでいて,そこまでとはまったく違う世界に入りこんだようでした.いつもと違う湿地状の場所にアキアカネを見に行きました.何十,いや何百かも知れません,たくさんのアキアカネが飛んでいました.水がたまっているところでは,アキアカネが産卵していました.

▲水田ではなく湿地で産卵するアキアカネのペア.



▲産卵するアキアカネ.

ここにはナツアカネもいましたが,数が少なく,産卵している姿を見ることができませんでした.そこで場所を移動しました.いつもよく行くところですが,またもや芝生の上での無駄な産卵をしていました.



▲芝生の上で産卵するナツアカネのペア.

湿地の方に入りますと,水は涸れていましたが,ナツアカネは産卵をしていました.見つけた途端,タンデムを解消し,メスが単独で産卵をし始めました.このメス,踊るように産卵しています.



▲湿地の草むらで単独産卵するナツアカネのメス.

正午を過ぎますと,トンボたちは産卵を止め,摂食したり,止まったりして過ごします.今日は気温が30度を超えていますので,トンボたちは腹部挙上姿勢をして暑さをしのいでいました.またとにかくトンボが多いので,電気柵の電線に,ずらーっと並んで止まっていました.



▲電柵の電線にずらーっと並んで止まるアキアカネたち.

▲腹部挙上姿勢で止まるアキアカネのオス.

▲アクロバット的姿勢で交尾するアキアカネのカップル.

▲ナツアカネのオスも混じって腹部挙上姿勢をしている.

これだけたくさんいると,本当に昔を思い出します.これが当たり前で,30年ぐらい前は,神戸の人工島,ポートアイランドの公園でもこんな感じだったのですから.本当にトンボが消えてしまいました.

さて,さらに別の場所へ移動しましたら,アキアカネはもちろんたくさんいましたが,トンボシーズンのしんがりを務めるキトンボが,日陰の草むらに止まって,出番を待っていました.いよいよトンボシーズンも終わりが近づいてきた感じですね.

▲草むらで出番を待つキトンボのオス.

かと思ったら,まだ夏のなごりのトンボたちもいました.最初の湿地ではオオルリボシヤンマが,小川から飛び出してきました.多分水面に落下していたのでしょうね.翅はボロボロで,濡れていました.ふらふら飛んだと思ったら,私のGパンに止まりました.

▲こういう所に止まると写真に撮りにくくて困る.

ちょっと立ち寄った親水公園では,ハグロトンボが活動していました.

最後に寄ったところでは,コシボソヤンマが流れの上をメスを探すようにして飛んでいました.そして何とオナガサナエが止まっていました.10月のオナガサナエは初めてです.みんなまだまだ頑張っていますね.

▲流れの上を飛んでメスを探しているコシボソヤンマのオス.

▲木陰で止まっているオナガサナエのオス.もう翅はボロボロだ.

ということで,楽しい一日を過ごすことができました.帰り,この地区を出ると嘘のようにトンボの姿が消えました.

帰り,陽が早くなって,6時前でももう夕方です.あまりに夕焼け空がきれいだったので,思わず写真に撮りました.

▲いよいよ秋本番という感じです.