トンボノート
No.793. 近くの池でトンボと戯れる.2021.6.24.

先日キイロサナエの産卵だけを見に,かなりの遠方へ出かけてきました.でも惨敗でした.遠くへ出かけても成果がないとどっと疲れます.

▲2012.6.20. キイロサナエのオス.この日は疲れただけだった.

そこで今日は近くの池で,コシアキトンボ,ウチワヤンマ,コフキトンボと戯れることにしました.朝9:00を過ぎて晴れてきましたので,そのあたりからのんびりと観察です.着くやいなや,ウチワヤンマが交尾態で飛び回っているのに出会い,ほどなく,手の届く場所で産卵を始めました.

▲ウチワヤンマもだいぶん日齢が進んでいるようだ.

▲着くやいなや交尾態のウチワヤンマと遭遇.

▲手の届くところで産卵を始めた.

まあ,うまくいくときはこんなもので,無欲なのがいいのでしょうか.しばらく,写真を撮りながら観察しました.ただ,ちょっと岸辺の草が邪魔しています.でも,こういう陰になるところが,メスにとっては安心できるのでしょうね.







▲同じ場所で産卵を続けるウチワヤンマのメス.

打水した後糸を引くように上昇するカットも何とか1枚だけ撮れました.

▲打水して上昇するところ.

▲腹端から糸状の構造物が伸び,それに水滴がついている.

しばらくすると,今度はコシアキトンボのメスがオスに捕まって交尾し,産卵を始めました.これも,ちょっと陰になるところでした.やはりこういう所が好きなのですね.



▲コシアキトンボが,ずっとこっちを向いて,植物上産卵をしている.

また少し間を置いて,今度は若々しいメスが,ふらふらと産卵に入ってきました.あまり警戒心がないのか,今度は開けた場所で産卵を始めました.カメラを構えている私には好都合です.ただ,この個体,すぐにオスに見つかって交尾を強要されました.





▲開けたところで産卵してくれている,コシアキトンボのメス.

コシアキトンボは数が増え,あちこちでオスどうしが追いかけ合いをしています.また,羽化して間がない未熟なオスも木の陰に隠れるようにして止まっていました.コシアキトンボも今が盛りなのでしょうか.ちょっと昔に比べて活動時期が早まっているように感じます.

▲未熟なオス.腹部の淡色部にまだ黄色い色が残っている.

▲よく見る光景.縄張りの境目あたりでオスが出会うとにらみ合う.

ウチワヤンマ,コシアキトンボと次々に産卵にやって来ましたので,次はコフキトンボ,といきたいところですが,コフキトンボの産卵には出会えませんでした.どうもコフキトンボの産卵には振られてばかりです.時間帯が違うのでしょうか.

コフキトンボは普段止まって縄張りを監視しています.ときどき岸に沿って一定の範囲を飛び,メスを探します.そんなとき,コシアキトンボほど頻繁ではありませんが,偶然出会ったオスどうしが並んで飛んでから,追飛を行います.

▲干渉し合っているコフキトンボの成熟オスたち.

▲まだ若いコフキトンボのオス.複眼も黒くないし腹部のシミもない.

コフキトンボが産卵に来るまで粘ろうかとも考えましたが,また日と時間帯を改めて観察に来ることにし,今日は終わりにしました.

途中,池の土手の上でマユタテアカネに出会いましたので,他のアカネが羽化していないか,周辺をちょっと探索してみました.すると,マイコアカネが1頭止まっていました.この池には以前マイコアカネがたくさんいたのですが,数年前から姿を消していました.でも,細々と生き残っていたようです.また復活することを祈りたいものです.

▲マイコアカネの未熟なメス.この池では久しぶりに見る姿だ.